「暖冬が定着しつつある昨今、コートの選び方・着こなし方も変わってきています」と語るスタイリスト・矢内麻友さん。「コート同士の重ね着コーディネートを提案するブランドもあるほど、今のアウターはスタイリングを楽しめるアイテム。サッと羽織れる、中に着込める……そんな軽やかコートを厳選しました」
PHOTO BY KAZUYA AOKI
STYLING BY MAYU YAUCHI
EDIT BY RCKT/Rocket Company
トラッドをモダンに昇華した、長く愛せる1枚——マッキントッシュ


1823年創業の英国ブランド、マッキントッシュ。美しいコート作りを得意とするこのブランドの定番人気モデル「バントン」から新作のハウンドトゥース柄コートをチョイスした矢内さん。「トラッドでありながら、サイドの切り替えやチラッとのぞくビビッドなオレンジの裏地がモダンな印象。Aラインシルエットでマニッシュすぎないのもいいですね。表面は上質感のあるウール、内側がゴム引きコットンになっているので風を通さずしっかり暖か。雨の日も安心で、レインブーツとともにぜひ持っていたいアイテムです」
軽やかに進化したダウンジャケット——モンクレール


ラグジュアリーなダウンジャケットで知られるモンクレールからは、ショート丈のダウンジャケットをセレクト。「コートのインに着られるくらい薄いダウンジャケット。これだけ薄くて、しっかり暖かいところにモンクレールの凄さを感じます。フロントファスナーやポケットにあしらわれたマクラメレースでデザイン性も高く、丈も短いから軽やか。ニットビーニーを合わせてカジュアルに着ても可愛いし、スタイリッシュなボトムと合わせてきれいめにも着られる。特に車移動の方には最高の1枚と言えるのではないでしょうか」
話題の「ジャコット」を上品にアレンジ——エブール


ジャケットとコートの中間を意味する「ジャコット」が、きれいめカジュアルの先鋒・エブールで大人気との情報をキャッチ。「ジャケットとコートのいいとこ取りの“ジャコット”。こちらはエブールらしい上質なラムウール素材に、大きめの襟やポケットのレザートリミングが効いています。シャツにカシミア素材のフードニットを重ねた上からざっくり羽織って、きちんと感がありつつリラックスムード漂うスタイリングに。ブローチやポインテッドトゥといった華やかな小物もよく似合います」
ギミック満載のトレンチでおしゃれ上級者に——デザインワークス


エッジが効いたセレクトでファッション通の支持を集めるデザインワークスで見つけたデザイントレンチ。「共布のケープがポイントで、マントのように巻くとエレガント。片方だけについたエポレットにケープを通して垂らすとスタイリッシュな印象に。ケープを外すと裾に向かって広がるシルエットが強調され、ドレスっぽく着ることができます。何通りもの着こなしができて、おしゃれ心を刺激するデザインワークスらしいコート。真冬にはインに暖かなニットを着込んで、春先にはスプリングコートとして、長く楽しめそうな1枚ですね」
ふわふわ軽やか、オフホワイトのシャギーコート——ユナイテッドアローズ 六本木


上品なトレンドアイテムが揃うユナイテッドアローズで毎年人気のテーラードコートから、オフホワイトを選んだ矢内さん。「エレガントな膝下丈もオフホワイトなら軽やかな印象。比翼仕立てのミニマルなフロントデザインですっきり着ることができ、ドロップショルダーと大きめの襟が顔まわりを華奢に見せてくれます。今回はモヘヤ混のふわふわ柔らかな雰囲気を活かして、同じ質感のキャップやミトンで愛らしさを強調しました。落ち感のあるスラックスなどを合わせてシャープな印象にシフトするのも素敵です」
矢内麻友|MAYU YAUCHI
大学卒業後、渡英。帰国後に吉田佳世氏に師事し、2016年に独立。『SPUR』や『FIGARO japon』といったモード誌を中心に、アパレル広告のスタイリングなど多岐にわたり活躍。ヴィンテージをこよなく愛し、エレガンスとモードを兼ね備えた、自由で遊び心のあるスタイリングが得意。
※ 2025年11月現在の情報となります。
※ 表示価格は全て税込価格です。









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