IKUKO’S METHOD

最新お財布事情 2025——地曳いく子のおしゃれメソッド95

ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回のテーマはお財布です。

STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA

なんだかんだと必要な現金のために

今はスマホさえあれば、タッチ決済でお支払いがほとんど事足りる、と思いきや日本は依然リアルな紙幣&硬貨が無いと不便なんです。ミュージアムの返却式コインロッカーでは100円が必須ですし、路上のパーキングメーターも硬貨式のところがまだまだあります。地元の月島ではランチだけ現金というお店もあり、地方の名店を訪ねたらこれまたキャッシュオンリー。スマホに頼り切って出かけ、痛い思いをした年末年始でした。アジアの国々では市場や屋台でもコード決済ができるところもあるというのに、日本の高度な造幣技術のお陰でニセ札に出会う事がほとんどないためか、リアルなお金至上主義!(笑) そうなると、気になり出したのがお財布です。2025年も始まり、新しいことをする第一歩としてお財布を新調するのもありなのではと思い、今回の企画となったわけです。新しいものを手に入れると、自分自身もアップデートされると思うのです。ちょうど迎えた旧正月を機に、ハッピー財布で開運を引き寄せていきましょう。

ルイ・ヴィトンの新作ウォレット《ポルトフォイユ・リサ》(上)は、コンパクトなサイズながらも、紙幣用のポケットやコインケース、4つのカードスロットを備えた機能的かつ洗練された逸品。日本限定の新作《ジッピー・ウォレット》(下)は、1990年代のラゲージの内装にあしらわれた「マル・モノグラム」から着想を得たシックなデザイン。ウォレット上¥111,000、下¥210,000(ルイ・ヴィトン/六本木ヒルズ 六本木けやき坂通り1F

エルメスのコンパクトウォレットを特徴づけているのは上質なレザー。そして、その上質なレザーに際立つアイコニックな「グレナン」(上)やトランクの蝶番から着想を得たという「シャルニエール」(下)の留め具たち。シンプルなデザインにエルメスのエッセンスがギュッと凝縮されています。ウォレット上¥255,200、下¥397,100 ※ともに予定価格(エルメス/麻布台ヒルズ ガーデンプラザC1F

グッチの2025年クルーズ コレクションから「GGパターン」が織り込まれたデニム地の新作ウォレットが登場。レザーのトリムと絣のある模様がシックでカジュアル。今年らしい軽さを感じます。ロングウォレット¥116,600、ミニウォレット¥74,800(グッチ/六本木ヒルズ 六本木けやき坂通り1F

ハートモチーフの「カナージュ」ステッチや神秘的なルナーモチーフ、ラブリーカラーの2色使いなど、ディオールのミニウォレットには可愛いさが満載。個人的には、パステルな色味やファンタジックなデザインに、今年はなぜか惹かれます。ウォレット上¥105,000、中¥110,000 ※日本限定、下¥135,000 ※日本限定(ディオール/クリスチャン ディオール/麻布台ヒルズ ガーデンプラザC

ボッテガ・ヴェネタのバレンタイン向けカプセルコレクションに登場したのは、キュートなハートが浮かび上がるイントレチャートのウォレット。熟練の職人が丁寧に編み込むクラフト感と愛らしいデザインの融合に心がくすぐられます。ウォレット¥124,300(ボッテガ・ヴェネタ/六本木ヒルズ ウェストウォーク2F

ベージュがかった趣きのあるピンクの色合いに、サンローランの「カサンドラ」ロゴが映えるコンパクトなウォレット。シェブロンキルティングのナッパレザーのソフトな手触りに上質を感じます。毎日使うお財布は手にした時の感触や相性も重要。ウォレット上¥70,400、下¥101,200(サンローラン/六本木ヒルズ ウェストウォーク2F

シンプルなデザインがエレガントなレザーの質感を際立たすヴァレンティノ ガラヴァーニの《Vロゴシグネチャー ウォレット》。光沢のあるテジュー(トカゲ革)のエキゾチックな風合いには、他にはない特別感が漂います。ウォレット上¥84,700、下¥156,200(ヴァレンティノ ガラヴァーニ/ヴァレンティノ/表参道ヒルズ 本館1F・2F

グレーシュなニュアンスのあるカラーにメタルの「Bシールド」がアクセントになったバーバリーのウォレットとカードケース。シンプルかつ上品。旅行先などで、スマホ中心に身軽に過ごしたいときは、カードケースが便利なお役立ちアイテムに。ウォレット¥112,200、カードケース¥45,100(バーバリー/六本木ヒルズ 六本木けやき坂通り1F

多種多様なバレンシアガのウォレットやカードホルダーたち。パスポートサイズのフラットなホルダーは、フラップ部分がめくれ上がったようなバレンシアガらしいユニークなデザイン。アンティーク調ゴールドのハードウェアも素敵なアクセントに。上ミニウォレット¥59,400、中コイン&カードホルダー¥59,400、下コイン&カードホルダー¥84,700 ※すべて予定価格(バレンシアガ/六本木ヒルズ ウェストウォーク2F

シグネチャーの「トリオンフ」がクロージャーになったセリーヌのエレガントなウォレット。ラージ、スモールともに上品なカラーが豊富に揃っているので、自分の気分やファッションに合わせて選べるのが嬉しい。落ち着いた雰囲気ならラージ、カジュアルに使いたいならスモールなど、ライフスタイルに合わせてサイズを選んでも。ウォレット上¥126,500、中¥126,500、下¥92,400 ※すべて予定価格(セリーヌ バイ エディ・スリマン/セリーヌ/麻布台ヒルズ ガーデンプラザB 1F・2F

アーカイブのメタリックシグネチャーをあしらった新作ライン《Chloé Iconic》のウォレット。光沢のあるシャイニーレザーが目を引くモダンでシックなデザインです。上ウォレット各¥89,100、下スモールウォレット¥59,400(クロエ/表参道ヒルズ 本館1F

地曳いく子が指南する
今欲しいお財布のススメ

❶ とにかくピンとくる今の波動に合うものを

「金運があがる色はコレ」とか、金運にまつわる説は色々とありますが、私が考えるのは、手に取って自分の気分があがったら、それはもう自分にとっての金運があがるお財布になると思うのです。黒が好きな方は黒。パステルやペールトーンに気持ちが動かされればそれもよし。ペールトーンのお財布は汚れやすいので心配という方もいるかもしれませんが、毎日使うものですし、ヨレヨレになるくらい使ってもらえたらお財布も本望だと思います。自分の波動(バイブレーション)に合うものを基準に選ぶ、それが今年の気分なんだと思います。

❷ 愛とお金を掛けるべし

以前にも書いたかと思いますが、毎日持つものなら、そこに愛とお金を掛けてもいいんじゃないでしょうか。「年収はお財布のお値段に比例する」とおっしゃっている方もいて。なるほどそれも一理あるかもと考えさせられました。そんな願いも込めてラグジュアリーなお財布を手に入れ、新しいシーズンをスタートさせてみてはいかがでしょうか。

❸ ライフスタイルに合わせて素直に

前回にお財布をテーマにしたときから、また社会の事情も状況も変わりました。それこそ以前はカードスロットに何枚カードが入るかがお財布選びの基準でしたが、今やポイントカードはスマホに取り込まれてせいぜい2、3枚入ればOK。お財布のスリム化が進み、数年前に起こったミニバッグの台頭とともに、いかにお財布を小さくするかというコンパクトウォレットの波が一気に押し寄せたこともありました。しかしそれも落ち着き、今はコンパクトなお財布でも二つ折りが主流になりつつあります。多様性の時代、お財布にも多様なデザインが揃い、自分のライフスタイルに合ったお財布選びができるようになってきた気もします。お札はやっぱり折りたくないという方は長財布、スマホ中心なライフスタイルの方はカードが入るコインケースだけでもいいです。その人の考えや生活を中心に考え、自分なりのお財布にアップデートしてください。


profile

地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、女優や著名人のスタイリングも数多く手がける。大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評を持ち、執筆も多く手がける。現在は、ファッションアイテムのプロデュースほか、テレビやラジオに出演するなど多方面で活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)『おしゃれは7、8割でいい』(光文社)『大人の旅はどこへでも行ける 50代からの大人ひとり旅』(扶桑社)など多数。最新刊に『ババアはツラいよ! 番外編 地曳いく子のお悩み相談室 2』(集英社文庫)。

※ 2025年1月現在の情報となります。
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