ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回のテーマはスマホ主役のミニバッグです。
STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA
スマホはもう人生の相棒!?
もはやお財布を忘れるより、スマホを忘れるほうがショックを感じてしまうこの時代。キャッシュレス決済のお店も多くなり、新幹線も飛行機もスマホでスルっと乗ることができます。先日、お財布無しに3日も過ごすことになったのですが、問題なくスマホひとつで生きていけました(笑)。どうやら私の日々の生活では、スマホが一番ステディな存在になりつつあるようです。だったら、スマホのサイズ中心に身の回りのものを再構築してみてもいいのでは? そんな思いから、新しいステディバッグのサイズを考えてみたのが今回のテーマのはじまりです。「スマホ様」専用のサコッシェからプラスαが入るミニバッグまで、私の欲望と求める機能を満たす最新アイテムを集めてみました。
地曳いく子が指南する
スマホのためのステディバッグのススメ
❶ だって暑いから身軽になりたいんです
うだるような暑さ真っ盛りの今日この頃。これだけ暑くなると、バッグを小さくしてスッキリと身軽に出かけたくなる私です。とにかく荷物を減らしたい。スマホと家の鍵とリップグロスさえ入れば、何とかなる。そのフレーズを聞くと、かつてのパーティーバッグを思い出します。リップスティックとクロークの札しか入らないあの小さいバッグです。そんなパーティーバッグをいくつも持っていましたが、スマホの出現ですっかり登場機会を失っております。だって、スマホを持たずしてパーティーやレセプションに行くなんて今や不可能。スマホとプラスαの何かを入れるスペースがある。これが日常使いにもパーティー仕様にも基準になりつつあります。この暑い季節は、必需品だけ持って軽やかにお出かけしましょう。
❷ 肌身離さず一緒にいたいので
昔話で恐縮ですが、私がこの仕事を始めた頃は、手帳や住所録、地図は、スタイリストの仕事には欠かせないマストアイテムでした。それを失くしたら、すべてが終わりというぐらいに。新しい手帳に住所録を書き写すのが、年末の恒例行事となっていました(笑)。今はクラウドにデータが保存されているので、スマホを落としても機種変してもすぐに復活できるというすごい時代になりましたね。でも、5年、10年前は、まだここまでスマホに頼りきっていなかったような気もします。ちなみに、私のスマホに入っている住所録は、最初の手帳からうん十年と受け継がれてきたデータです。時代はどんどん流れていきます。そんな時代を懐かしむことはあっても、私の生活はもうスマホなしには回らない。肩から下げたミニバッグにスマホを入れ、トートに仕事道具を入れてという2個持ちが、定番のスタイルになりつつあります。書類もスマホに入ってしまうこともあるので、スマホが入りさえすればミニバッグだけで事足りることも。いつでもどこでもスマホだけは持ち歩きたい。だからこそ、今バッグを買うなら、スマホを主役に考えたものが欲しいです。皆様のライフスタイルはどうでしょうか?
❸ ステディなあの子だからこそ投資しても
フォンケースにこだわっていた時期があるのですが、頻繁に機種変をする私なので、次世代フォンには引き継げず、家で眠っている子たちが何個あることか……。スマホに愛があるから、その投資が無駄だとは思っていません。でも今なら、スマホ主役のミニバッグに投資をしてもいいのかなと思います。これなら、すぐ機種変しても問題なし。ラグジュアリーなミニバッグたちは、ただ小さいだけでなく、“山椒は小粒でもピリリと辛い”的な逸品揃い。ブランドの技術と粋が詰まっています。ファッションのアクセントとして、アクセサリー感覚で持つこともできるのでおススメです。
地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、女優や著名人のスタイリングも数多く手がける。大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評を持ち、執筆も多く手がける。現在は、ファッションアイテムのプロデュースほか、テレビやラジオに出演するなど多方面で活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)『おしゃれは7、8割でいい』(光文社)『日々是混乱』(集英社)など多数。最新刊に『大人の旅はどこへでも行ける 50代からの大人ひとり旅』(扶桑社)。
※ 2024年7月現在の情報となります。
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