ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回のテーマはカットソーです。
STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA
カットソーはオールシーズン時代に突入
夏も終わる頃なのに、いまさらのテーマがカットソー!?と思う方もいるかもしれません。夏の素材の印象が強いカットソーですが、昔のように四季ではっきりと気温が定まらない現代では、カットソーは万能素材なのです。８月末はまだまだ暑いですよね。ですが店頭には秋物が並んでいます。でも、それがファッションの世界。ただし、プレフォールのアイテムはそのあたりを考慮した、色味や形で秋のはじまりを感じさせるカットソーものが増えてきています。何を着ていいのか分からない中途半端なこの時季、私はかなりの頻度でカットソーを愛用しています。洗ってもシャキッとしている素材のものも増え、干すときにハンガーに掛けてパンパンとしておけば、アイロン知らずで楽ですし。今はまだ、汗をかきやすい季節なので、お手入れが楽なのは大事。秋が深まればレイヤーアイテムとしても使えます。気温の定まらない季節の変わり目は、カットソーで乗り切ってください。
バックスリット入りのオフショルダーのトップ。レイヤーしたかのようなコンビネーションタイプなので、１枚で着ても様になりますし、ジャケットやライダースの下に着ても。この時季はグレーイッシュトーンがおすすめ。トップ¥29,700（アドーア／ウェストウォーク 3F）
サテン地とのコンビネーションのスカート。落ち感がきれいで、歩く姿が素敵に見えます。秋が深まってきたらショートブーツと合わせたいです。スカート¥33,000（アドーア／ウェストウォーク 3F）
絶妙なトーンのベージュのカットソー。ゆったりめですが丈は短めなので、バランスが取りやすく着こなしやすい。大人に似合う程よいビッグシルエットです。トップ¥14,300（エブール／六本木ヒルズ ウェストウォーク3F）
鎖骨のあたりをきれいにみせてくれるボートネックのカットソー。細めのネックレスを重ね付けして、今年らしさをアップしても。トップ¥17,600（エブール／六本木ヒルズ ウェストウォーク3F）
ケープのような形とパイピングされたディテールがポイントに。夏の暑さでだらけていたおしゃれ心を取り戻してくれるカットソーです。トップ¥24,200（エストネーション／六本木ヒルズ ヒルサイド1F・2F）
生地がしっかりとしたスウェットドレス。今の時季なら１枚で着てもいいですし、少し涼しくなってきたらホワイトシャツとレイヤーしても。さらに寒くなってきたら、タートルネックと合わせても。レイヤー次第で長く楽しめる1着。ドレス￥66,000（エストネーション／六本木ヒルズ ヒルサイド1F・2F）
胸のあたりがシアーな素材になったおしゃれロンT。ジャケットやカーディガンを羽織っても、胸元がきれいにみえます。トップ¥14,300（ダブルスタンダードクロージング／ソブ ダブルスタンダードクロージング／六本木ヒルズ ヒルサイドB1F）
サイドに光沢のあるサテン地でラインが入ったパンツ。カットソーなので穿き心地は楽。それなのに見た目はエレガント。１本は持っていたい優れもの。パンツ￥24,200（ダブルスタンダードクロージング／ソブ ダブルスタンダードクロージング／六本木ヒルズ ヒルサイドB1F）
パフスリーブになったエレガントなロンT。まだまだ汗をかきやすいこの時季、お手入れが楽で、１枚でも様になるおしゃれカットソーは手放せません。長袖Tシャツ¥16,500（デザインワークス／デザインワークス ドゥ・コート／六本木ヒルズ ウェストウォーク3F）
パールのディテールと布帛の切り替えがおしゃれ度マックスな雰囲気に。でもカットソーなのでフォーマル過ぎず、普段使いで着られます。トップ¥16,500（ユナイテッドアローズ／ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店／六本木ヒルズ ウェストウォーク2F・3F）
エレガントな服装に便利なタイトスカート。コンサバなイメージが強いですが、カットソーなので穿きやすく、しかも形もきれい。そろそろコンサバな服が着たい、でもまだ暑い、というときこそカットソーを選んでみてください。スカート¥17,600（ユナイテッドアローズ／ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店／六本木ヒルズ ウェストウォーク2F・3F）
１枚でレイヤーファッションが楽しめるY-3のTシャツ。アディダスのスリーストライプスをモードに昇華しているのは、さすがヨウジさん。メッシュTシャツ¥41,800（ワイスリー／表参道ヒルズ 本館B1F）
おしゃれ心をあげるカラーアクセントになるTシャツなら、鮮やかでも落ち着いたトーンのものを。黒のコンサバなジャケットのインナーに着たら、ポイントにもなりかわいいです。Tシャツ¥10,450（ワイスリー／表参道ヒルズ 本館B1F）
何かと便利な白Tシャツ。夏の薄手のコットン然としたTシャツではなく、この時季だからこそ上質な素材の白Tシャツを更新しておきましょう。ジャケットやカーディガンなど羽織物からちょこっと見せてもOKなように。Tシャツ¥13,200（デザインワークス／デザインワークス ドゥ・コート／六本木ヒルズ ウェストウォーク3F）
裏と表の２つで１枚にクレジットカードのパロディがプリントされたTシャツ。大人の遊び心が効いた１枚でファッションを楽しむのも一興。Tシャツ各¥15,180（アメリカーナ／ミューズ ドゥ ドゥーズィエム クラス ロッポンギ／六本木ヒルズ ウェストウォーク2F）
チノのカットソーはとっても丈夫。私も愛用者の一人です。長めの袖やラウンドカットの裾など、シンプルなのに絶妙なデザイン。１枚で着てもレイヤーにしてもOK。３シーズン使えます。長袖Tシャツ¥20,900（チノ／表参道ヒルズ 本館2F）
薄手のロンTはレイヤー用にあると便利。レディースの程よい白のロンTは見つけるのが意外と大変なので、出会ったら迷わず買います。秋冬にこそ活躍するのがロンTです。長袖Tシャツ¥19,800（チノ／表参道ヒルズ 本館2F）
裾がシャツのようにラウンドカットされているので、ニットとレイヤーした時にちらっと見えると着こなしのポイントにもなります。ニットをクシュクシュと捲って白のロンT の袖をみせてもかわいいです。長袖Tシャツ¥8,800（ユナイテッドアローズ／ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店／六本木ヒルズ ウェストウォーク2F）
地曳いく子が指南する
秋のカットソーのススメ
❶ 大人は素材を選んで予算を掛ける
カットソーはもともとカジュアルなもの。だから、安くてシンプルなものでいいというのは昔の話。素材は進化しています。大人なら、カットソーにもお金をかける時代だと思います。スムースで光沢のある素材のカットソーを選ぶと、カジュアル度合がぐっと減ります。大人のカジュアルはきちんと投資し、素材感を大切にしましょう。
❷ 絶妙トーンの秋色を
夏物のカットソーとの大きなちがい、それは色選び。１枚で着られるタイプなら、グレーイッシュトーンのものを選びましょう。クリーンな白やハッピーカラーな夏色から、さりげなく色を変えるだけで秋らしい気分が高まります。アクセントとして色を取り入れたいなら、落ち着いた色のビタミンカラーがおすすめです。
❸ ディテールにこだわるべし
形や切り替え、お袖のパフ感やパイピングなど、ちょっとディテールにこだわったカットソー選びも大人のカジュアルには欠かせません。夏ならさらっとシンプルな１枚でもいいですが、もう秋はすぐそこ。デザイン性の高いもので、気持ちを切り替えていきましょう。サテン地など、異素材コンビのカットソーもおすすめ。美しくエレガントに見え、楽なのにきちんと感が漂います。
❹ 今からおさえておきたい上質な白のロンT
これまで書いたことと逆行していない!?と思うかもしれませんが、シンプルな長袖Tシャツ（ロンT）は、この時季におさえておきたいアイテムなのです。ニットの下にレイヤーしたり、ジャケットやカーディガンのインナーとして着たり、意外と１枚持っていると便利。いざ、そんな着こなしをと思っても、ニットやジャケットが必要になる９月の終わりごろになると、なかなか見つからなかったりします。形はシンプルでお袖は細め、裾がラウンドカットのものなどがおすすめ。ポイントは、夏のさらっとしたコットン然としたTシャツではなく、上質なものを選ぶこと。この時季なら１枚でも着られますし、白のロンTは持っていて損をすることはありません。今これぞというロンTに出会ったら、ぜひ買っておいてください。
地曳いく子｜Ikuko Jibiki
スタイリスト／1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、女優や著名人のスタイリングも数多く手がける。大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評を持つ。現在は、ファッションアイテムのプロデュースほか、テレビやラジオに出演するなど多方面で活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』（ともに宝島社）『おしゃれも人生も映画から』（中央公論新社）『買う幸福』（小学館）『おしゃれは7、8割でいい』（光文社）『日々是混乱』（集英社）など多数。
※2022年8月現在の情報となります。
※表示価格は全て税込価格です。
※店舗により臨時休業や営業時間を変更させていただく場合がございます。詳細は「六本木ヒルズの営業状況について」「表参道ヒルズの営業状況について」をご確認ください。
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