ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回のテーマは、この夏持ちたいトートバッグです。
STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA
もうひと足、行動範囲を広げるなら
気をつけながらの通常運転になりつつある世の中。リモートばかりだった日々から、週2、3日は通勤という人も多くなり、行動範囲も広がりつつあるようです。制限によりワンマイルなご近所さんがメインだった以前は、ミニバッグやスマホケースなど小さいものシリーズが生活にフィットしていたのですが、今はトートバッグが気分です。例えば、仕事帰りにジムに寄るとか、金曜日の夜からちょっと温泉に行くとか。ついでに少し足をのばして範囲を広げてみようとするなら、+αを詰め込むためにバッグは自然と大きくなります。外に飛び出したい気持ちを後押ししてくれる、それが何でもポンと入れてしまえるトートバッグなのかなと思っています。気分を盛り上げてくれる夏要素もプラスして、行動的になれる楽しいトートバッグを、今回は小さいものから大きいものまでバリエーション豊富に集めてみました。
地曳いく子が指南する
今夏のトートバッグのススメ
❶ クラシックなのに今の顔
今季のトートバッグのおすすめはふたつ。ひとつは、クラシカルなフォルムに、アイコニックなロゴや柄などをモダンにアレンジしたもの。形はコンサバなのに、巨大化したロゴや柄、ユニークな素材が使われているだけで、今の気分へとあげてくれるフレッシュな印象へと様変わり。特に、オンに使いたい人は、クラシックだけどモダンな顔のトートバッグを、エブリデイバッグとして選んでみてください。
❷ 日々の生活にプラスする夏気分
おすすめのもうひとつは、夏の気分をあげてくれるラフィアなどの天然素材やカゴバッグ。夏の定番ですが、このアイテムを持つだけで、小粋なパリジェンヌのバカンス気分へと日々の気持ちをあげてくれます。リゾート過ぎるのはちょっとと思う方は、オンにも使えそうな網目が細かいエレガントなものやシックな色味のものを選んでみてください。7センチヒールがあたりまえだった時代から、スニーカーが許されるようになった現代。エグゼクティブや営業の方は別として、カジュアルな素材のトートバッグで仕事をするのも今の時代かなとも思います。
❸ 肩に掛けられるかどうかが大事
トートバッグを選ぶとき、ハンドルの長さはとても大事な要素です。昔、アウトドアもののキャンバストートが流行りましたが、車文化のアメリカで運ぶ器として誕生したものなので、ハンドルがとても短くて。当時、肩に掛けられるハンドルは、スペシャルオーダーでしかつくれませんでした(笑)。ハンドバッグ代わりに小さいキャンバストートを持つなら問題はないのですが、それなりの大きさのバッグだとついつい物を入れてしまい、重くて腕が耐えられないなんてことに。行動範囲が広がるということは、いっぱい歩くということ。ハンドルを肩に掛けられるほうが、アクティブになれます。小ぶりのかわいいトートバッグも同じ。ストラップ付きの2WAY仕様のものを選べば、クロスボディにしてより行動的になれます。さあ、夏気分を後押しするトートバッグで、日々の生活をおしゃれにアクティブに潤していきましょう。
※2022年7月現在の情報となります。
※表示価格は全て税込価格です。
※店舗により臨時休業や営業時間を変更させていただく場合がございます。詳細は「六本木ヒルズの営業状況について」「表参道ヒルズの営業状況について」をご確認ください。
地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、女優や著名人のスタイリングも数多く手がける。大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評を持つ。現在は、ファッションアイテムのプロデュースほか、テレビやラジオに出演するなど多方面で活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)『おしゃれも人生も映画から』(中央公論新社)『買う幸福』(小学館)『おしゃれは7、8割でいい』(光文社)『日々是混乱』(集英社)など多数。
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