ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回のテーマは、家でもちょっとした外出でもOKなワンマイル服です。
STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA
ワンマイルご近所さんも気を抜かないで
再び緊急事態宣言が東京に発令され、おうち生活を送る日々を過ごしております。できる限り外出は控えているものの、ご近所に生活必需品を買いに出ないわけにはいきません。長い自粛生活のため、おしゃれ感度が鈍り、つい適当な服で出かけていませんか?そこは要注意です。毎回、ご近所ばなしとなってしまいますが、同じ生活圏内にいる友人に、数年ぶりに会ってしまう偶然もあるのですから。でも、ご近所にわざわざ着替えて出ていくのも億劫。ですから、家でもさっと出掛けられる服を着て過ごしてみませんか?私の中でのワンマイル服の定義。それは、寝っ転がっても気にならず、ご近所で偶然友人に会っても、そのまますぐ近くのイタリアンで白ワインとピザをいただけてしまうぐらいの服です(今は、外食を自粛していますが、気持ちはそのぐらいで!)。おしゃれリハビリを兼ね、おうちでもファッションを楽しみましょう。
地曳いく子が指南する
ワンマイル服のススメ
❶ 形はシンプル、素材はスーパーラグジュアリー
ラグジュアリーの感覚が変わってきているように感じます。以前は、カシミヤなどの上質な素材といえば、コンサバでいかにも高そうな服ですというものに使われていました。ですが、この数年、カシミヤをはじめ、かなりラグジュアリーな素材が、相当カジュアルな服にも用いられるようになってきて、この状況下で一気にその傾向が加速したような気がします。フリースで作られていたデザインのものが実はカシミヤ製だったりと。見た目はカジュアル、でも極上の肌触り。これは、着ている人にしかわからない究極の贅沢。まだまだ先の見えない今。ドレスはしばらくお預け。だったら、おうちラグジュアリーに投入してみてはどうでしょうか?適当な服だと、つい適当なルームウェアを合わせてしまいますが、それなりのものを着る時は、カジュアルでもコーディネイトを自然と考えたりするものです。
❷ 寝っ転がれるきちんと服
家にいることが多くなると、座る時間が長くなります。シワが気になる服は、当然敬遠。すっかりシャツを着なくなりました。そこで活躍するのが、ジャージー素材のジャケットやセットアップ。ついゴロンとしたくなってもシワにもならず、リモート会議もOK。ワンピースならサッシュ付きが便利。家でいる時は外してリラックス、外出時はキリっとサッシュベルトを締めてお出かけモードに。きちんと感とリラックス感。この二つがリモートワークには大事です。
❸ おしゃれ心をくすぐる色と形
ついラクをしたくて、全身シンプルな黒ずくめな日が多かった私ですが、それにもそろそろ飽きてきました。春に向け、きれいな色目やちょっとしたひねりのあるデザインの服を手に入れるのも、おしゃれリハビリのひとつに。フーディなら、形はシンプルでも、きれいなラベンダー色やサイドにスリットが入ったエレガントなデザインを選んでみると、これまでの気分と変わり部屋着感も薄れます。
※ 2021年1月現在の情報となります。
※ 表示価格はすべて税抜き価格です。
※ 六本木ヒルズ等各施設では、新型コロナウイルスの感染拡大防止の予防対策を徹底し営業しております。また一部の店舗では営業時間を短縮しております。ご来店の際には事前に各施設HPをご覧ください。
地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、女優や著名人のスタイリングも数多く手がける。大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評を持つ。現在は、ファッションアイテムのプロデュースほか、テレビやラジオに出演するなど多方面で活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)『おしゃれも人生も映画から』(中央公論新社)、『買う幸福』(小学館)、『おしゃれは7、8割でいい』(光文社)、ひとりっPこと編集者の福井由美子との共著『たまには世界のどこかでふたりっぷ』(集英社)など多数。最新刊に『日々是混乱』(集英社)。
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