
ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回は、手首のおしゃれで暑い季節を乗り切るファッション講座です。
STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA
キラッと手もとに光るあなたのセンス
この時季は、猛烈な暑さとじっとりと汗ばむ湿気との戦い。普通に過ごすだけでも疲れてしまう毎日です(というのは、私だけでしょうか?(笑))。思考も停止気味なので、ついついカジュアルであっさりとした服やワンピースを選んでしまいます。でもそれだとやっぱり何かが足りない! 楽は楽なんですが、気持ちまでゆるんでしまって……。そんな時はどこでスタイルを格上げするか。それが手首だと私は考えています。そこで今回は、ブレスレット感覚で身につけるウォッチや、様々なタイプのブレスレットを集めてみました。ノースリーブや半袖で肌の露出が高く、グラスを持つ手が目立つこの季節。キラッと手首にあなたのセンスを光らせ、暑さを乗り切ってください。
● ウォッチ編
● ブレスレット編
地曳いく子が指南する
ウォッチ&ブレスレット選びの心得
❶ 時計はブレスレット感覚で
スマホが当たり前の現代では、時計をする意味が変わってきたと思います。ほとんどの人はスマホで時間を見ていますよね。時計は今や時間を確認する機能以上に、自分の気持ちをアゲてくれるアクセサリー的要素が大きくなっています。そこにこそ、投資する価値があると思います。もはや感覚はブレスレット。しかも時間も分かって便利(笑)。今季はアクセントになる時計も多く登場しているので、そんな気持ちで取り入れてみてはどうでしょうか。
❷ 自己満足で上等
この暑さと湿気にはイラっとしますよね。そんなとき、手もとがキラリと楽しげであれば、気持ちもアガりませんか?おしゃれは人のためにならず。自分のためにするもの。特に手は自己満足の世界で上等。ゴージャスなブレスレットだけでなく、イチゴやユニークな絵柄のついた通なウォッチをさりげなくつけ、“ただ者ではない感”を漂わすのもオトナ女史のおしゃれです。
❸ パワーブレスでモードに変身
暑さに負け、ゆるいワンピースやTシャツにパンツという日でも、ひとつ手首につけるだけで主役級のモードスタイルに変身するパワーブレスは強い味方。このとき大切なのが、インパクトとノイズ。夏のパーティーでドレスコードを忘れても、“これがインヴィテーションよ”ぐらいのインパクトがあるブレスレットやバングルがあると色々と使えます。アンバランスなものを取り入れると、不思議とおしゃれに見えるのが今の時代。とても大きいチャームが付いたものなど、シンプルなファッションにノイズを入れるのもセンスを光らせる技のひとつです。
❹ 甘くしないクールさも必須
暑い季節は全体的にクールな印象に仕上げるようにしましょう。時計のベルトは淡い乙女色より黒やダークめで引き締め、ブレスレットタイプのウォッチならミラノマダム風なエレガントでクリーンなものを。ブレスレットもインパクトは強くてもコテコテ過ぎないものを選ぶと、すっきりとして見えます。

地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、そのキャリアは30年超え。女優のスタイリングも数多く手がけ、大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評あり。独特の語り口も魅力で、現在はテレビやラジオでのコメンテーターとしても活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』、『着かた、生きかた』(ともに宝島社)、『おしゃれも人生も映画から』(中央公論新社)、黒田知永子との共著『おしゃれ自由宣言』(ダイヤモンド社)など多数。7月には最新刊『買う幸福』(小学館)を上梓。
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