ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回はリラックスして過ごす冬のスタイル指南です。
STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA
緊張とリラックスの切り替えを
年末は会食やパーティーに顔を出しては暴飲暴食。毎年のことですが、身も心も疲れ切ってしまう私です。なので、お正月休みはジムやヨガに行ったり、一泊のデトックス温泉旅行をしたり、家ではリラックスしながらストレッチしたり、新年の仕事始めをすっきり迎えるための調節期間として過ごしています。ただ、たるんだボディを鍛えようと頑張り過ぎるのは禁物。長く続きませんし、かえって疲れてしまいます。もちろん、のんびりし過ぎるとさらにお腹まわりが大変なことに。大事なのは、緊張とリラックスの切り替え。そこで、今回は、身体と気持ちをゆるめるためのアイテムを集めてみました。寒さで硬くなりがちな冬、スポーツ&リラックスウェアで乗り切ってみませんか。
地曳いく子が指南する
冬のスポーツ&リラックスウェア選びの心得
❶ スポーツ気分ぐらいが、ちょうどいい
ジムに通ってのワークアウトもいいですが、仕事でテンションが張っているオフィスワーカーはゆるめることも大切。たとえば、スニーカー。スポーツテイストなスニーカーをオフの日に履くだけで、もうひと駅歩いてみようかしらという気になりませんか。リラックスとは、癒しとともに身体を動かして調整することなのではないかと最近思うんです。普段の生活に、スポーツ気分な動きやすい服を取り入れるだけで、もうひとつ何かをやろうと思えるはずです。
❷ ジムやヨガの着替えはスマートに手を抜く
ヨガの後、ロッカールームでストッキングに穿きかえている人をときどき見かけますが、これからまた仕事?と、私の頭の中では疑問符が3つぐらい浮かんでしまいます。日本人は真面目なのか、オフの日もオフの格好しない人が多いですよね。せっかくヨガですっきりしたら、帰りもリラックスしながら帰りたいのが私。ヨガに行くときは、ブラトップにレギンスを穿いて、上からざっくりニットのワンピース。足もとは素足でアグ®️のブーツが定番です。着いたらぱっと脱いでヨガスタイルに。終わったらさっとシャワーを浴びて、ブラパッド付きのキャミソールとショーツに着替えます。家に帰ったら、厚手の靴下を履き、そのままの格好でくつろいでいます。手を抜きながら、手抜きに見えない、ざっくりとしたニットものがあると使い回しがききますよ。
❸ 遂に到来ダウンの季節
ダウンやパデッドコートが本当に必要になるのは、まさに今の季節からですよね。ベーシックなものを持っている人も多いと思いますが、オフの日のためにこれから買うなら膝上ぐらいある長めの丈のものを。太もも部分が覆われているだけで、暖かさが変わってきます。これさえ羽織れば、下はニットとレギンスでも大丈夫。ジムの行き帰りにも便利です。スポーティーなものなら、気分をアゲるきれいめな色がおすすめ。
❹ スポーツ本格派なレギンスを普段使いに
スポーツメーカーなどの機能性抜群のレギンスは、ジムやヨガではもちろん、普段使いにもできる優れもの。少し値段が張っても、伸びにくく丈夫なものが多いので長く使え、結果コスパがよくなります。
❺ 旅行にも便利なメッシュのスニーカー
すっかり定番化してきたアッパーがメッシュのスニーカー。軽く歩きやすいだけでなく、型崩れを気にせずペタンコにできるのがいいところ。鞄に入れて持って行っても嵩張らないので、旅行先でも活躍します。
地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、そのキャリアは30年超え。女優のスタイリングも数多く手がけ、大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評あり。独特の語り口も魅力で、現在はテレビやラジオでのコメンテーターとしても活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)、『おしゃれも人生も映画から』(中央公論新社)など多数。11月には黒田知永子との共著『おしゃれ自由宣言』(ダイヤモンド社)を上梓。
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