
六本木ヒルズとJ-WAVE(81.3FM)がタッグを組んだゴールデンウィーク恒例のフリーライブイベント「TOKYO M.A.P.S」が5月5日(金・祝)、6日(土)、六本木ヒルズアリーナで開かれる。プログラム・オーガナイザーに就任したのはJ-WAVEナビゲーターのクリス・ペプラー。国内外の音楽のトレンドを見つめ続けてきた彼が本イベントにかける思いとは。
TEXT BY Mariko Uramoto
PHOTO BY aya kawachi
ゴールデンウィークの到来とともに開催を心待ちにするファンも多い「TOKYO M.A.P.S」。‘Music、Art、Performanceが複数(S)集まる‘という意味を込めたライブイベントは入場無料、予約不要でアーティストたちの生の演奏を楽しめる。今回オーガナイザーを務めるクリス・ペプラーさんも長年オーディエンスとして楽しんできた一人だ。
「『TOKYO M.A.P.S』はほぼ毎年、来ています。これまで高橋幸宏さんや矢野顕子さんなど錚々たる方たちがプログラム・オーガナイザーを務め、King nu やOfficial髭男dismといった今をときめくアーティストたちも数多く出演してきました。そんなイベントにオーガナイザーとして関われることをとても光栄に思います。『TOKYO M.A.P.S』は、気軽に来られて、出入り自由なところがいいですよね。それにゴールデンウィークって天気に恵まれることが多いんですよ。開催中、雨に降られたことはほとんどなかったんじゃないかな。爽やかな春の風を感じつつ、音を楽しめる最高に気持ちの良いイベントだと思います」

クリス・ペプラー|Chris Peppler FMラジオ局J−WAVEが1988年に開局すると同時に、ナビゲーターとして抜擢され、「TOKIO HOT 100」のDJは35年目に突入。日本のミュージックマスターとして知られ、音楽、映画やスポーツなどエンターテイメントを中心にTV番組、CM出演、映画、ドラマ出演、ビッグセレブの来日記者会見やインタビュー、イベントMCなど幅広く活躍中。J-WAVE「SAISON CARD TOKIO HOT 100」(毎週日曜日13:00~16:58)「SAPPORO BEER OTOAJITO」(毎週金曜日23:00~23:30)
六本木ヒルズの開業とともに西麻布から移転したJ-WAVE。同局の看板番組『TOKIO HOT 100』でナビゲーターとして最新の音楽チャートを紹介してきたクリスさんにとって、六本木ヒルズはまさにホームとも言える存在。どのような印象を持っているのかを聞くと、今回の「TOKYO M.A.P.S」で掲げたテーマ「新しさと心地よさ」につながっているという。
「2003年の開業当時、住居やレストラン、美術館、映画館、商業施設が一体になった複合施設というのがとても新鮮で、ワクワクしたことを覚えています。先進的なシティライフのあり方を提示する場所だと思いました。そして、この六本木ヒルズを象徴する森タワーにJWAVEが入り、33階のフロアに入った時、ここは一歩先の未来の世界だと感じたんです。僕は新しいものや未来に対してポジティブなイメージを持っているのですが、最先端のものって冷たい印象を持たれがちですよね。でも、六本木ヒルズは違う。建物内に曲線を多く使っていて、独自の心地よさがある。また、敷地内に毛利庭園を再現したり、人が集える広場を有するなど、安らげる場所としても整備されています。J-WAVEから流れる音楽もそうで、エッジィなサウンドでありながら、温もりを感じられる。そういうものって楽しいし、ワクワクする。だから、今回のイベントテーマに『新しさと心地よさ』という言葉を選びました」
今回クリスさんがキャスティングしたのは、普遍的な心地よさを音で表現するアーティストたち。昨年、フジロックフェスティバルとソニックマニアに同時出演したことでも話題を集めた小山田圭吾のソロユニット〈Cornelius〉、日本ジャズ界を牽引するピアニストの上原ひろみ、オルタナティブファンクバンドの〈BREIMEN〉など全10組が、六本木の街に豊かな音楽を届ける。
「これからのミュージックシーンを担う若手から熟練まで、いずれも先鋭的でありながら、心地のよいサウンドを届けてくれるアーティストです。実は僕の中には『アート&インテリジェンス』という裏テーマもあって。六本木は森美術館をはじめ、国立新美術館やサントリー美術館もあるアート発信の地。『TOKYO M.A.P.S』を盛り上げる音楽家たちも芸術性や知性を刺激するライブを行ってくれると思います」
幼い頃から六本木によく来ていたというクリス・ペプラーさん。街の変遷を間近に見てきた彼の目に六本木というエリアは今、どう映っているのだろうか。

「やはりインターナショナルな街ですよね。戦後、アメリカ軍の街として外国人向けの飲食店やショップがつくられ、海外の文化を発信してきた。父の会社が近くにあったこと、そして僕自身通っていた学校が近くにあったので、幼い頃からよくこの辺りで遊んだりしていました。長らく、夜の歓楽街というイメージありましたが、六本木ヒルズができたことで街の雰囲気がガラリと変わり、家族連れでも来やすくなった。六本木ヒルズが開業して数年経ったあたりから、子供服のショップや託児所が充実して、より一層ファミリーで楽しめる場所になったと思います。そう考えると、フジロックフェスティバルで出会った2人が結ばれて家族になって、フジロックフェティバルに子ども連れで参戦する人がいるように、『TOKYO M.A.P.S』もいろんな方たちの人生とともに歩むイベントになると嬉しいですね」
最後にクリスさん流「TOKYO M.A.P.S」の楽しみ方を教えてくれた。
「六本木ヒルズの中はもちろんですが、周辺においしい飲食店がたくさんあるので、ライブの合間や帰る時などに食事も楽しんでもらえたら。そうそう、この時期、昼間は暖かいんですけど、夜は冷え込むので上着を忘れずに」

J-WAVE & Roppongi Hills present TOKYO M.A.P.S CHRIS PEPPLER EDITION
開催日・出演アーティスト 2023年5月5日(金・祝)上原ひろみ~Solo~、Nao Kawamura、BREIMEN、由薫、ROTH BART BARON/6日(土)ao、Ichika Nito & The Toys、君島大空、Cornelius、Bialystocks 時間 12:00〜20:00(予定) 会場 六本木ヒルズアリーナ 料金 無料
SHARE