世界を舞台に活躍しながら2020年にこの世を去ったヘアデザイナー、加茂克也。彼の創作の現場を紹介する展覧会「KAMO HEAD ‐加茂克也展 KATSUYA KAMO WORKS 1996-2020‐」が、3/21〜4/2まで、表参道ヒルズ 本館B3F スペース オーにて開催される。

Photo by Yasutomo Ebisu
edit by Kazumi Yamamoto

作品集『KAMO HEAD』のために撮影した写真を壁に並べ、構成を考える。

ヘッドピースひとつひとつがまさにアートだ。

作品集のための撮影には、長い年月を費やした。

ヘアデザインを「表現する場」へと昇華させたヘアデザイナー、加茂克也。90年代から〈CHANEL〉〈FENDI〉〈JUNYA WATANABE〉〈UNDERCOVER〉といった世界のトップメゾンのコレクションでその才能を存分に発揮し、唯一無二の存在としてファッション界に衝撃を与え続けた。そんな加茂の約20年にわたる創作活動を紹介する企画展が開催される。本展は、2020年に惜しまれつつもこの世を去った加茂が、生前に自身が企画・構想した内容をベースに、国内外のコレクションで使用された約200点のヘッドピースをはじめ、プライベートな時間に制作していた模型のアートピースなど、合計約400点の作品を一挙公開。また、本人が使用した制作道具や創造過程を垣間見ることができるポラロイドブックを交えながら、アトリエも再現する。

現場での判断力がずば抜けて素早い加茂も、写真の選びには熟考した。

静かな住宅街に構えた加茂のアトリエ。

一点一点、ヘッドピースの撮影に時間をかける加茂。

「加茂さんの作る女性像が好きだった」——戎 康友
 

広告や雑誌等で加茂と数多くの仕事をしてきたフォトグラファー、戎 康友。ここに掲載した写真は、作品集『KAMO HEAD』のために試行錯誤する加茂のアトリエでの制作風景を、戎が2013年から2019年の春まで撮り続けた貴重な写真の一部。『KAMO HEAD』は会場で販売している。

加茂克也｜Katsuya Kamo
1965年福岡県生まれ。90年に渡仏。帰国後、ファッション雑誌を中心に広告やショーなど幅広く活躍。96年から〈JUNYA WATANABE〉、97年から〈UNDERCOVER〉のコレクションを手がける。2003年に毎日ファッション大賞グランプリを受賞。05年から活動の場を海外に広げ、世界的モード誌やアート系雑誌などでもその才能を発揮する。2015年に個人事務所「KAMO HEAD」を立ち上げ独立。東京、パリ、ニューヨークを中心にグローバルに活動。2020年2月、54歳で逝去。photo: Hiromasa Sasaki

KAMO HEAD ‐加茂克也展 KATSUYA KAMO WORKS 1996-2020‐　会期 3月21日（火・祝）〜4月2日（日） 会期中無休　会場 表参道ヒルズ 本館B3F スペース オー

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