8月9日(木)〜19日(日)の10日間、わずか31歳で夭逝した伝説のストリートアーティスト、キース・ヘリングの特別展「POP, MUSIC & STREET キース・ヘリングが愛した街 表参道」が開催される。
TEXT BY KYOKO INOU
時代を超えて愛され続けるストリートアートの先駆者
アンディ・ウォーホルやバスキアと並び、1980年代のアメリカ美術シーンを代表するアーティスト、キース・ヘリング。ニューヨーク地下鉄の広告板に落書きをする《サブウェイ・ドローイング》と呼ばれるグラフィティ・アートで一躍脚光を浴び、1990年に31歳の若さで亡くなるまでの10年余りの間に、絵画、彫刻、アニメーション、舞台美術からレコードジャケットまで、幅広く精力的な創作活動を行った。
一度目にしたら忘れられない、シンプルな線と鮮やかな色。ポップで親しみやすいへリング作品には、核放棄、反アパルトヘイト、エイズ予防など社会的問題をテーマにしたものも多く、アートを通じて、常に社会に一石を投じ続けた。
表参道での来日パフォーマンス秘蔵映像を東京初公開!
1983年の初来日をきっかけに日本文化に心を奪われたヘリング。1988年には、東京・青山にオリジナルグッズを販売する《ポップショップ東京》をオープン。当時ストリートパフォーマンスが流行していた表参道の歩行者天国で、路上にチョークでドローイングをするパフォーマンスを行い、話題を呼んだ。本展では、来日時の貴重な秘蔵映像を東京初展示。日本の若者たちと気さくに交流する姿など、ヘリングの素顔を垣間見ることができる。
会場内には、ヘリングが手がけたオリジナル・ポスター58点と、レコード・カバー13点を展示。すべての作品が撮影OKで、お気に入りの一枚と記念撮影が可能。会場の空間自体にもフォトジェニックな装飾が施され、訪れる人の目を楽しませてくれる。
「アートはみんなのもの」をモットーに《ポップショップ》をニューヨークと東京でオープンさせたヘリング。会場内では《ポップショップ》を彷彿させるブースで、現在も続くコラボレーションアイテムの数々を販売。「着られる版画」としてヘリングが制作したTシャツや、コンパクトな額装ポストカードなど、注目の商品がずらりと揃う。
今なお新鮮さを失わないキース・ヘリングのアート。常にアートを通じて社会にメッセージを発信し続けたヘリングの人生に思いを巡らせ、彼が生きた時代を追体験できる展覧会へ、ぜひ足を運んで。
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