ふだん何気なく通り過ぎる場所。そこでじっと耳と傾けてみると、実にさまざまな音が聞こえてきます。話し声や足音、虫の羽音や風。そんな街にあふれる音を集めて、音楽家たちと音作りを楽しむプログラムが、六本木ヒルズで行われます。
TEXT BY Uramoto Mariko
音楽を通じて街と対話しよう
4月30日(日)に行われるプログラム、In collaboration with 日本フィルハーモニー交響楽団「森あわせ〜building a forest」は、日本フィルハーモニー交響楽団コミュニケーション・ディレクターのマイケル・スペンサーをファシリテーターに迎え、“街と音楽とアート”をテーマにしたプログラムです。
マイケル・スペンサーはヴァイオリン奏者として活躍後、世界各地で芸術教育プログラムを開発、実践してきた第一人者。20年前に来日して以来、日本のオーケストラと教育プログラムを多数実施し、芸術教育の素晴らしさを伝えています。
今回、彼が提案する「森あわせ〜building a forest」は、六本木ヒルズでのユニークな体験を通じ、“音楽”をコミュニケーションツールとして、創造性や協同力を育くみ、表現する楽しさや多様性に対する理解を深めようとする試みです。
まず、参加者は少人数のグループに分かれ、六本木ヒルズ内の6つのスポットへ向かいます。巡る先はショップ、パブリックスペースやアート作品、働く人々などさまざま。そこでの出会いや会話、気づき、経験を通じて、街にあふれる音を集め、そこで感じた風や自然をもとに自分たちで自由に音を作ります。最後には、収集した音を参加者同士で披露。さらには、日本フィルハーモニー交響楽団の音楽家たちによって、一つの音楽に仕立ててもらうこともできるという豪華な内容です。
同じ場所で同じ音を聞いても、感じ方は人それぞれ。その違いを理解するのも、音楽の楽しみ方の一つです。また、音楽をコミュニケーションツールにすることで、初めて会う参加者同士も、知らず知らずのうちにぐっと距離も縮まるはず。今回は子どもだけでなく、さまざまな世代が参加の対象となるので、ふだんの生活の中では出会えないユニークな体験になるはずです。
また、六本木ヒルズではこのプログラム以外にも、4月29日(土・祝)にシンガーソングライターの世武裕子による公開レコーディングや、5月6日(土)、7日(日)に音楽、アート、パフォーマンスをさまざまな表現で発信する「TOKYO M.A.P.S」など、音をテーマにしたイベントを多数開催します。街歩きを楽しみながら、心地の良い音に耳を傾けましょう。
六本木ヒルズ・森美術館 まちと美術館のプログラム In collaboration with 日本フィルハーモニー交響楽団「森あわせ〜building a forest」
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