日本人ならきっとだれもが癒される墨の香りと、日本茶の香り。そして美しさに見とれてしまう伊勢型紙があしらわれた日本酒。鈴鹿を訪れたら買って帰りたい、おすすめのお土産が購入できる3軒をご紹介します。
Text by Yoko Takeuchi / Photo by Yuna Iwase
連載旅するマーケット Ⅴ期
Exhibitor 3-2
Text by Yoko Takeuchi / Photo by Yuna Iwase
子どものころ墨を磨った経験はあるでしょうか。そのときの、なんとも落ち着く香りを覚えていますか? 実は、その正体は墨に練りこまれている香料なのです。もともとは、墨の原料のひとつであるニカワの悪臭を防ぐため、また磨り手の精神統一のためと言われており、落ち着いた香りが選ばれてきました。
鈴鹿市では、平安時代に始まったという「鈴鹿墨」が作られており、1980年には伝統的工芸品に指定されましたが、その技を受け継いでいるのは、市内では「進誠堂」の1軒のみ。その進誠堂で数年前から取り組んでいるのが、新しい分野への挑戦です。(取り組みについては、前回の旅する鈴鹿市の記事でもご紹介しています)
前編で立ち寄った椿茶園ですが、ここではオリジナルの茶葉がさまざまな種類・サイズで揃って購入できます。かぶせ茶、ほうじ茶、玄米茶、くき茶、番茶と、選り取りみどり。お好みのお茶を連れて帰れば、日々のお茶タイムには、香りで旅の思い出もよみがえりそう。
旅のあとの楽しみのひとつは、その土地のお酒を帰宅後にゆるりと味わうこと。鈴鹿で出会った日本酒には、伊勢型紙のデザインがあしらわれていて、とても心惹かれました。最近は凝ったラベルの日本酒もありますが、これほど美しいものを見たのははじめて。
清水清三郎商店の酒造りは、伝統の精神を引き継ぎながらも「いま考えられる、いちばんいいと思うもの」を探求。そのひとつが少量タンクで、さらに3回に分けて仕込むというもの。大きなタンクで一気に仕込むより手間はかかりますが、素材や酵母の状態管理、また発酵の要である温度管理がきめ細かく調整できるそう。
こちらのお酒は、ワイングラスでいただくのもオススメ。女性同士の集まりや、大切な人とのテーブルに、華やぎを添えてくれそうですよ。購入するには、鈴鹿で唯一の直取引店「太田屋」へ。清水清三郎商店の様々な種類のお酒が揃っていますので、旅の最後にぜひ立ち寄ってみては?
旅するスタンドでは、鈴鹿市のお酒として「作 純米 穂乃智」「作 純米吟醸 奏乃智」「作 純米大吟醸 中取り 雅乃智」が登場しますので、こちらにもぜひ足を運んでくださいね。
進誠堂
伝統工芸品である鈴鹿墨を製造・販売する唯一の会社。数百円の手頃な墨から、プロ向きの高級品までそろっています。美しく彩色された墨はもちろん、店内に飾られた多数の書道作品も必見です。
椿茶園
ワンコインで本格的な日本茶をいただけるカフェ。日本茶に合う手作りの和菓子も絶品です。陶器のカップを持ち帰れるのがうれしい。椿大神社の参道にあるので、お参りのあとにどうぞ。
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