あらゆる分野のトップランナーたちが、「子どもにこそ、世界の最先端を」との思いを胸に、子どもに本気で向き合うワークショップ「MIRAI SUMMER CAMP」が今年も六本木ヒルズで開催されます。全19プログラムから6プログラムをご紹介。この夏を、子どもたちが未来を見つける第一歩にしてみませんか?
Main Photo by Yuri Manabe
photo by Koutarou Washizaki
連載みんなでつくろう! あたらしい学びのカタチ
Syllabus
Main Photo by Yuri Manabe
photo by Koutarou Washizaki
ソニー株式会社 MESHプロジェクト プロジェクトリーダー
Q1 このワークショップではどんなことが学べますか?
MESHは、無線でつながるセンサーを、ビジュアルプログラミングでつないでいくだけで、自分の考えた仕組みをつくっていくことができるツールです。このワークショップでは、身近なものとMESHを組み合わせて、あたらしい遊びを考え、実際に作ります。創造力や問題解決力、論理的思考力を身につけられます。
Q2 ふだんはどんなお仕事をされていますか?
普段はソニー株式会社で、MESHプロジェクトのリーダーをしています。主に「開発」と「事業全体」の2つの仕事をしています。お客様とのコミュニケーションを通して、製品に対するご要望を受け止めて開発に活かすことや、想像もしなかったようなMESHの使われ方を知ることが、この仕事の面白さですね。
Q3 子どもたちに届けたい「好きな言葉」とは?
「一期一会(いちごいちえ)」です。もともとは茶道に由来することわざです。「あなたと出会っているこの瞬間は、二度と来ない。だからこの一瞬を大切に思い、最高のおもてなしをしましょう」という意味です。いろいろな出会いがこれからたくさんあります。そのひとつひとつをぜひ大切にしていってください。
スプリンター・短距離走者
Q1 このワークショップではどんなことが学べますか?
義足に触ったことはありますか? どんな構造をしていて、素材は何でしょう? あるいは、私が15歳で義足になった時の心境の変化や2012ロンドンパラリンピックに出場したことまで、ふだんみんなが聞くことのない義足の話。義足って大変? 障害者って大変?いろいろな考えがあるけれど私は楽しんでいますよ。
Q2 ふだんはどんなお仕事をされていますか?
建設会社で設計の仕事をしています。公共施設の工事に携わったり、道路を掘って水道管を入れていくライフラインの図面を描いています。沢山の人が関わる工事を進めていくためには凄いチームワークが必要ですが、みんなで協力しあってつくっていくのは楽しいし、終わったときの感動もとっても大きいです。
Q3 子どもたちに届けたい「好きな言葉」とは?
「好きなことを見つけて楽しもう」─陸上教室で教えていると、すぐに結果が出ることを期待して練習している子供と、楽しみながら練習する子供がいます。もちろん、簡単には速くはならないし、結果が出るまでには長い時間が必要です。練習も辛い。でも辛い練習も楽しみながら行えれば必ず乗り越えられます。
こども哲学おとな哲学「アーダコーダ」ファシリテーター
Q1 このワークショップではどんなことが学べますか?
このWSでは、「こども哲学」と「ものづくり」が体験できます。こども哲学とは、みんなで一緒に「問い、話し、考える」こと。今回は、森美術館で開催中の「塩田千春展:魂がふるえる」を鑑賞し、探求の冒険に出ます。冒険の後半は、最新のクリエイティブツールを使ったものづくりの時間をもつのでお楽しみに!
Q2 ふだんはどんなお仕事をされていますか?
「どうして勉強しなきゃいけないの?」「幸せってなに?」「普通ってなんだろう?」といったみんなが抱くような疑問について、こどもやおとなと「問い、話し、考える」ことをしています。いろんな人の、いろんな考えに出会うことができて、発見や驚きがあり、自分の考えや視点もひろがっていくのがとても面白いです。
Q3 子どもたちに届けたい「好きな言葉」とは?
私の好きな言葉は「のびのび」です。私たちは、日常生活を送るなかで、いろんなことに囚われてしまいがちです。でも本当は、自分の気持ちや考えを、無理に型にはめなくていい。のびのびと、問い、話し、考えていい。そこで見つけたあなただけの答えをもとに、自由に、自分で道をつくっていっていいと思うのです。
電子楽器の開発者
Q1 このワークショップではどんなことが学べますか?
電気を通す特殊なインクで描けるペンを使って、 “でんきの波”をあやつるための圧力センサーを自分だけのオリジナル回路でつくり、それを使って「音」という「波」をコントロールしながら音楽演奏をしてみましょう。電子楽器(アナログシンセサイザー)を使って音の仕組みや音の作り方なども学んでいきます。
Q2 ふだんはどんなお仕事をされていますか?
システム開発・アプリの開発などを行っています。また、音楽イベントなどでの演奏、照明演出なども行っています。それぞれ違うことをやっているように見えますが、自分が作ったり手がけたりしたものがお客さんによろこばれたり楽しんでもらえた時、自分にとってとても楽しく、充実した気持ちになれます。
Q3 子どもたちに届けたい「好きな言葉」とは?
「自然(アナログ)を大切に」ですね。技術は急速に進歩していますが、人はデジタルではなくアナログな存在。今日のデジタル技術はかなり精密にアナログを「真似」できるようになりましたが、自然を知らなければデジタルでは表現できません。自然をよく知ることがこれからもっと大切になってくるはずです。
株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所 リサーチアシスタント
Q1 このワークショップではどんなことが学べますか?
「協生農法」とは、地球の生態系が元々持っている、自己組織化能力を利用する農法です。これが普及すると、食料生産と生物多様性を両立させたまま、人類にとって有用な植物が自発的に育つ生態系を作り出せるようになります。また、このような生態系の要となる「表土の循環」についてもワークを通じて学びます。
Q2 ふだんはどんなお仕事をされていますか?
協生農法という持続可能な地球の実現を目指した農法の研究をしています。自然生態系、そして人間の身体といった、物凄く複雑な世界を上手く理解・制御・利用するために勉強し、実際に農園で生き物を観察したり仲間と議論します。これまでわかっていなかったことがわかることがこの仕事の面白さのひとつです。
Q3 子どもたちに届けたい「好きな言葉」とは?
「自己の真の限界を穿(うが)つ」という私の尊敬する先生の言葉です。誰でも現状の自分について「これで良い」と思いがちですが、世界トップクラスの実力を得て世に大きな影響を与えたいと思ったら、現状の自分に満足することなく、強靭な目的意識と意志力をもって自ら鍛錬することが必要だ、という教えです。
東京大学大学院 工学系研究科(川原研究室)特任助教
Q1 このワークショップではどんなことが学べますか?
特殊なインクペンとLEDシール、さらに紙や絵を使って、自分だけのオリジナルの「光るうちわ」をつくります。その中でLEDを発光させる回路の仕組みを学ぶとともに、アート(芸術)とペーパークラフト(デザイン)と電気工学(科学・工学)を融合させるクリエイティブな楽しみに触れてもらえたら!
Q2 ふだんはどんなお仕事をされていますか?
たとえば、折り紙でつくった作品をインターネットに接続したらどうなる? といった具合に、センサーや回路、プログラミングといった最新の技術と、紙でできた本やペーパークラフトをつなぎ合わせる方法を研究しています。Chibitronicsという教育ツールキットを開発製造する会社の共同創設者でもあります。
Q3 子どもたちに届けたい「好きな言葉」とは?
「wonder(不思議)」ですね。この世界が、自分の想像をはるかに超えた驚きに満ちていることに触れる感覚であり、日々の生活からより大きく、エキサイティングな世界へと私たちを連れ出してくれるもの。だから「知らないからダメ」なんて思わないでください。それこそが、疑問と学びのはじまりなのですから。
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