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連載旅するマーケット Ⅴ期

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桑名の歴史と自然と愛が詰まった、こだわりのお土産たち[ 桑名市|三重県]

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発送もできる地物のハマグリ、オーガニック100%のクラフトビール、土地の風土や食との相性をイメージしてつくられた地酒。桑名を訪れたら買って帰りたい、おすすめのお土産をご紹介します!

Text by Yoko Takeuchi / Photo by Yuna Iwase

 

なんといっても、ここだけのハマグリ

江戸時代からおいしさを誇る特産品でありながら、開発や地盤沈下などにより生息場所である干潟が失われていき、一時期は絶滅しかけた桑名のハマグリ。その後、熱心な地元の漁師たちの手によって復活を遂げ、現在は「ふるさと納税」の返礼品としても大人気に。桑名産は本当に貴重なのです。

 

 

前編で訪れた「はまぐりプラザ」からほど近い「丸元水産」では、個人でハマグリを購入することができ、自宅などに発送も可能。ここのハマグリは、井戸水で作った塩水プールで保管されているのですが、温度、酸素量、塩分濃度が研究・管理され、鮮度のキープと丁寧な砂抜きが心掛けられています。そのため、自宅に持ち帰ってもすぐに調理ができるのが、うれしいポイント。

 

 

 

お店の方に尋ねれば、時期やその日の状態によって、善し悪しやおすすめの食べ方を教えてくれるそう。とくに旬を狙うなら4月〜6月頭の訪問がおすすめとのこと。残念ながら今年の最盛期は過ぎてしまいましたが、7月以降も販売されていますので、ぜひ立ち寄ってみてください!

 

 

本質を追求した、細川酒造の「上馬ビール」

桑名といえば、若者を乗せた馬が土壁を駆け上がる「多度大社上げ馬神事」をゴールデンウィークのニュースで見かける人も多いのではないでしょうか。その神事が行われる多度大社にほど近い細川酒造。そこでつくられているクラフトビールが「上馬ビール」です。

素材は麦芽とホップと水のみという、本場ドイツの「ビール純粋令」を貫くスタイル。しかも麦芽とホップは、ドイツの厳しい認定機関が認めたオーガニック。仕込み水は、日本百名水にも選ばれた養老山系の自然水です。聞いただけでも美味しそうですよね?

 

 

左「ヘレス」:広がりのある香りと苦みが濃醇。とはいえ苦すぎず飲みやすいので女性にもおすすめ。/中「デュンケル」:香ばしさとほのかな甘みを感じる芳醇なタイプ。ヘレスより飲みごたえあり。/右「ボック」:ホップの苦味に加え、香ばしさとコクがあり、アルコール度数6%のストロング派。

 

最近のクラフトビールはフルーティなエールタイプが多いなか、こちらは3本とも比較的スッキリと軽快なラガータイプ。ビール好きにはたまらない一品です。

 

桑名の名前を冠した、後藤酒造の「久波奈」

「久波奈」とは、桑名の万葉仮名。江戸時代の桑名のガイドブックのような文献「久波奈名所図会」にも記されている、歴史ある表記なのだそう。

「地元を代表する酒」という意味をこめて約25年前に名付けられたお酒「久波奈」は、今では後藤酒造を代表する1本に。地元の人がこのお酒を市外の人に贈ったとき、桑名の話をしてほしいという願いも込められています。旅のお土産にすれば、きっと思い出話に花が咲く、そんな特別純米酒です。

 

 

 

もう1本を選ぶなら、純米酒「かれがわ」もおすすめ。市内の嘉例川(かれがわ)地区には、希少昆虫「ヒメタイコウチ」が生息する水田があり、そこで育てたお米を使った限定酒です。地元の農家や農協と協力し、お酒づくりで自然環境の保護に取り組んでいる1本。

 

 

ちなみに、後藤酒造には麹を発酵させる部屋が3つあり、それぞれ温度・湿度が調整可能。そのため味わいのコントロールがしやすいと教えていただきました。

「三重県全体は温暖な気候で、のんびりした風土。そのなかで日常的に食べている野菜や魚に合う、ほんのりやさしいお酒づくりを目指しています」
杜氏のそんな言葉が印象的でした。ぜひ皆さんも味わってみてくださいね。

 

 

旅するスタンドでは、ここで紹介したお酒に加えて、細川酒造の純米吟醸が3種類に、後藤酒造の「青雲 山廃純米」も味わえます。もちろん、桑名のハマグリをつかった料理もお酒と一緒に堪能できますよ。

現地に行って旅するもよし。旅するスタンドで旅気分を味わうのもよし。ぜひ桑名の食を楽しんでみてください!

 

旅する桑名市

 

Marumoto Suisan

丸元水産
目の前の漁港で採れたハマグリを独自のノウハウで丁寧に砂抜きし、販売・発送してくれるお店。「桑名のハマグリを絶やさないため、全国の人に食べてもらいたい」と、レトルト食品も開発している。

Hosokawa Shuzo

細川酒造
嘉永参年(1850年)から受け継がれる伝統製法と、三重県の米、養老山系の水のみで日本酒を仕込む蔵元。本場ドイツのオーガニック原料と60日以上かける製法等にこだわった「上馬ビール」も醸造。

Goto Shuzojo

後藤酒造場
蔵元自身が専門知識の学びと修行を重ねて杜氏となり、自身の目指すやわらかな飲み心地の日本酒を、目の届く範囲で手造り。「桑名まちかど博物館」に登録されているので予約のうえ見学可能です。

 

2018年4月、日本各地の魅力を伝えてきた『旅する新虎マーケット』は
「新虎通り」から虎ノ門ヒルズ、アークヒルズまでエリアを拡大し、
『旅するマーケット』へと生まれ変わりました。
その中心となるのは日本各地の旬の食材や郷土料理を食す場所「食べる場」、
地域に根付く繊細で丁寧なものづくりを体験できる場所「創る場」、
そして新鮮な地域の食材や加工食品が買える場所「市場」。
2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、
国内外からの注目が高まり続ける東京。
その東京を代表する都市空間を舞台に、
日本各地の新たな価値を創造し、発信します。
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