日本上陸30周年を迎えた〈ザ・コンランショップ〉。今年のクリスマステーマは、いいものを探すワクワク感を詰め込んだ「メリー・ゴー・ファウンド」だ。麻布台ヒルズ タワープラザ 3Fの東京店にも、スタッフたちが自分の脚と目で探した“極上の日常”のためのギフトアイテムが並ぶ。ここでしか出会えない逸品に加え、併設レストランでのクリスマスディナーも。大切な人たちの喜ぶ顔が思い浮かぶ贈り物7選を紹介します。
PHOTO BY SATOSHI NAGARE
TEXT BY MASAE WAKO
EDIT BY KAZUMI YAMAMOTO
❶ 植物の実や種を使ったインテリアオブジェ——注目アーティストYUKASETOの「of life」
真鍮に付いた実や種は可動するものも。回転させたり、オブジェごと寝かせてみたり、自由な飾り方ができる。今回のために特別制作したモビール型オブジェもある。右/W28×D5×H19.5cm ¥38,500 左/土台はYOHEI KIKUCHIのコンクリート彫刻。W15.5×D8.5×H13.5cm ¥49,500
「日本のザ・コンランショップ共通のクリスマステーマ“Merry go Found”は、遊園地のメリーゴーランドから発想されたもの。実は創業者のテレンス・コンランがデザインに興味をもつきっかけになったのも、幼少期に遊んだ観覧車のおもちゃだと言われているんです。遊園地のように好奇心をかきたてる店内をめぐりながら、特別な日のギフトを選んでほしい。そんな気持ちで選びました」
そう話すスタッフが最初に紹介するのは、京都を拠点に活躍するアーティストYUKASETOのインテリアオブジェ。形や色合いが異なる植物の種や実を使い、それら一つ一つに合わせて真鍮パーツを手作りしたアートピースだ。植物は塗装や研磨を施さず、自然の姿のまま使用。経年とともに変化する姿を眺められる。
「なだらかな曲線を描く真鍮が、遊園地のジェットコースターみたいでもありますよね」と笑うスタッフは、作家本人にも会って話を聞いたそう。「〝種は植物の最後であり、いちばん最初でもある存在〟という作家の言葉に惹かれました。眺めるたびに可愛いと思えるし、植物がもつ生命力みたいなことも感じてもらえたら、と思います」
❷ 肌に心地いい熊野筆のメイクブラシを友人に——〈SHAQUDA〉の冬限定セット
ファーを使ったポーチに、山羊の天然毛で作られた熊野筆のブラシ3本をセット。クリスマス限定のホワイトカラー ¥22,000
広島県の熊野町は、江戸時代末期から続く日本屈指の筆の里。この町で生まれた伝統工芸が「熊野筆」だ。良質な毛を選りすぐる“選毛”、熟練の手技で仕上げる“整毛”、穂先を形づくる“山出し”など、ほかでは真似のできない職人技が今もなお受け継がれている。その伝統を生かしたブラッシュブランドが〈シャクダ〉。シンプルなデザインのブラシは手に心地よく、使う人の所作まで美しく見せる。
「ずっと触れていたくなるくらい気持ちいい。柔らかくてコシのある山羊の毛を使ったメイクブラシ3種類のセットです。身近な友人や家族へのギフトにぴったりですが、自分用にも欲しくなってしまいます」とスタッフ。
「チークブラッシュ ナチュラル」は粉含みがよく、チーク、ハイライト、ファンデーションなど多目的に使える1本。穂束が三角形状の「ブレンディングブラッシュ フラット」はアイホール全体やハイライトに。適度なコシのある「コントゥールアイブラッシュ」は色ムラなくシャドウを付けられる。3本とも、ハンドルの裏面にカットが施され、置いた時に転びにくいのも嬉しい。
❸ 音楽好きなキッズに贈る手仕事の楽器——〈Oak Villege〉の木琴
硬い木や柔らかい木、赤っぽい木に白っぽい木、木目がきれいなもの、香りがいいもの。さまざまな国産材がもつ表情や手触りを楽しめる木琴。W38×D29×H5cm ¥16,500
「木琴といえば、普通は音盤の長さを変えることで音程を調整します。でもこれは、木の硬さや裏側の削り加減でドレミの音を調整しているんです。音盤には、ひのき、なら……と樹種が記されている。軽やかな音を楽しみながら、木の種類も覚えられるなんて、もはや知育玩具ですね」
素材はヒノキ、ナラ、センダン、サクラ、ホオ、キハダ、トチ、カバ。ワクはブナ材。すべて無垢材を使って無塗装で仕上げられている。作り手は飛騨高山の〈オークヴィレッジ〉。1947年の創設時からサスティナブルなものづくりを目指し、国産材を使った家具や文具、漆器、おもちゃなどの木工製品を作っている工房だ。
「ザ・コンランショップは国内に6店舗ありますが、クリスマスに合わせて選ばれているものは各店舗で異なります。キッズ用の木琴は、若いご夫婦のお客さんも多い東京店ならではのギフト提案。ギフトのセレクトには、ふだん店頭に立つスタッフも参加しているので、“ウチのお客様にこそ、このアイテムを知ってほしい”“ぜひ実物を見て触れて選んでほしい”という、熱い想いもこもっています」
❹ ハンドメイドのガラスボトルも魅力的——〈Atelier Materi〉のパルファム
右/Santal Blond(サンタルブロンド)100ml ¥37,400 左/Burgundy Oud(バーガンディウード)50ml ¥41,800。建築やデザインにも精通したディレクターが始めた〈アトリエ・マテリ〉。ボトルは職人の手仕事。蓋(右)は現代建築を象徴するコンクリート。香りのサンプルを入れたガラスドームもスマートだ。
〈アトリエ・マテリ〉は2019年にフランスで創設されたハイラグジュアリーパルファムのメゾン。素材を生かすクラフトマンシップを大切に、美しい香りを生み出している。
「女性ディレクターのベロニク・ル・ビアンは、現代建築やインテリアに精通した方で、“Less is More”という美学を大切にしているそうです。天然香料による洗練された香りはもちろんですが、オブジェのようなボトルも素敵。深いブルーのガラスを使い、ひとつひとつ職人の手磨きで仕上げられています。そういう点も含め、ザ・コンランショップに来てくださるお客様に響くのではないかな、と選びました」
たくさんの種類がある中から、今回すすめてもらった香りは2つ。サンタルブロンド(右)は、天然サンダルウッドを使ったエレガントなオー・ド・パルファムだ。ファーストノートはカルダモンのスパイシーで爽やかな香り。やがて芳醇なジャスミンや温かなトンカビーンのノートが立ちのぼる。バーガンディー ウード(左)は神秘的なウードの香りを現代的に取り込んだ個性的なエクストレ・ドゥ・パルファム。人を酔わせるような官能的な香りが肌の上に残る。
❺ お酒が好きなあの人に喜んでほしい——〈SUS gallery〉のボトルキーパーやタンブラー
右/ビアタンブラー。ビールの泡立ちをよくする、中央がくびれた形。白ビールやスタウトビールにぴったり。74×H144cm 400ml ¥28,600 中/ワインタンブラー。香りを引き立たせる丸みのあるフォルム。ワイン、コーヒーなど香りを楽しむ飲み物に。φ7.2×H8.6cm 280ml ¥23,650 左/ボトルキーパー。あらかじめボトルを冷やしておけば、水や氷を入れなくても冷たさをキープ。φ10×H23cm ¥45,100
「ワインやビールをもっとおいしくするアイテムです。チタンを使った真空二重構造のタンブラーやボトルキーパーは、断熱性に優れ、保冷・保温の効果がとても高い。氷を入れた飲み物を注いでも、氷が長時間溶けず、味が薄まることない。お酒本来のおいしさを最後まで味わえます」
金属の町・新潟県の燕市で、江戸時代からの金属加工技術を生かしたものづくりを続ける〈サスギャラリー〉。世界で初めてチタン製真空二重タンブラー製造を始めたメーカーだ。主に使われているのは、純度99%のピュアチタン。いつまでも錆びにくく、経年劣化がほとんどないチタンは、耐久性に優れ金属臭もほとんどナシ。人体への安全性も⽴証されている。
側面に水滴が付きにくいので手やテーブルを濡らす心配が減るほか、タンブラーやグラスの縁は薄くて口当たりよし。ワインや日本酒の繊細な味わいを邪魔しない。「私たちが選んだのは、食卓になじみやすい定番色“ミラー”シリーズ。店内ではナチュラルワインも買えるので、きれいなボトルのものを選んでセットで贈るのもいいですね」
❻ カスティリオーニ兄弟の名作——〈BRIONVEG〉のターンテーブル付きラジオスピーカー
「radiofonograforr 226」AM/FMアンテナ、アンテナアダプター、ターンテーブルプレート、Bluetoothトランスミッターも装備。ボディはMDF材のラッカー塗装仕上げおよびアルミ鋳造研磨。W120×D36.5×H61cm 約60kg ホワイト ¥2,750,000
「クリスマスの時期になるとアナログレコードやラジオが恋しくなりませんか? デザインのいいオーディオを自分への贈り物に……という提案です」。
「ラジオフォノグラフォ」は、デビッド・ボウイやカール・ラガーフェルドの愛用品としても知られる、クラシカルなターンテーブル付きラジオスピーカー。イタリアのデザインを世界に知らしめた巨匠、アキレ・カスティリオーニ&ピエール・ジャコモ・カスティリオーニの兄弟が1965年に発表した名品である。今回、ザ・コンランショップが選んだのは「226」というモデル。ボウイらが使っていたオリジナルモデル「126」を、最新テクノロジーで進化させた現代版モデルだ。
製作は、イタリアンデザインを象徴するブランドのひとつ〈ブリオンベガ〉。熟練職人による木製キャビネットやサイコロ型のラウドスピーカーは、鮮明な音質や、周囲の環境に応じた最適なサウンドを構築する。ちなみに両脇のラウドスピーカーは取り外しが可能。ターンテーブルの上に積み上げたり床に置いたりして自由に楽しめる。
「店頭では音楽好きのスタッフがディスプレイを担当。クールジャズのロングセラーや60年代ロックの金字塔となった名盤など、渾身のレコードセレクトも含めて楽しんでほしいです!」
❼ あの人と私のための、美味しいひとときを——レストラン〈Orby Restaurant〉のクリスマスディナー
クリスマス限定ディナー 7皿 ¥13,000(サービス料別)。2部制/1部(17:00〜)、2部(19:30-20:00〜) 〈Orby Restaurant 〉 電話=03-6834-4700 営業時間=11:30~15:00(L.O.13:30)、17:00~22:00(L.O.21:00) 火曜定休 予約は電話もしくはInstagram のプロフィールにあるリンクよりTable Checkから。
「最後はもう一つのギフト、クリスマスディナーの提案です」
ザ・コンランショップ併設の〈オルビーレストラン〉は、テレンス・コンランのミドルネームから名付けられたレストラン。ヘッドシェフはナチュラルワインの名店として知られる三軒茶屋〈UGUISU〉や西荻窪〈ORGAN〉の店主・紺野真だ。12月21日から25日までの5日間、この人気店でスペシャルなディナーコースが提供される。
メインは岩手県・石黒農場のホロホロ鳥。ジューシーにローストした胸肉と、パリッと照り焼きふうに仕立てたもも肉からなるひと皿だ。もも肉に使ったのは、オレンジの果汁とはちみつを使った苦味のあるビガラードソース。添えられたカーボロネロ(黒キャベツ)には、ホロホロ鳥のハツ、砂肝、ミンチや古代米が合わせられ、パルミジャーノの白い泡ソースがかかっている。それらの下に敷かれたのは、シンプルな鶏ガラのソースと干し椎茸を使ったクリームソースの2種類。ひと皿の中に、ジューシーさやまろやかさ、甘味、旨味、苦みの変化がある。
鶏を使ったオーソドックスなクリスマス料理を、オリジナリティと新しさで進化させた味に、うっとりすること間違いなし。〈ザ・コンランショップ 東京〉と〈オルビー〉で、温かく幸せなクリスマスを!
個人の生活空間から都市、社会までを広く視野に入れ、デザインによる変革を実践し続けたコンラン卿(1931〜2020)の人物像に迫る初めての展覧会が、東京ステーションギャラリーにて開催中。この機会に、ヒルズライフのアーカイブに残る特集記事を紐解き、コンラン卿が信念とした〈より良い社会を実現するためのデザインの力〉について考えてみたい。
場所=東京都港区麻布台1-3-1 麻布台ヒルズ タワープラザ 3F電話=03-6834-4600営業時間=11:00~20:00
「CHRISTMAS HILLS 2024」では、六本木ヒルズをはじめ、麻布台ヒルズ、虎ノ門ヒルズ、表参道ヒルズ、アークヒルズが一体となりクリスマスが展開されます。ヒルズ全体に広がる美しい装飾と心温まるイベントが、この季節を彩ります。今年のクリスマスは、ヒルズで心に残るひとときをお楽しみください。
※ 2024年12月現在の情報となります。 ※ 表示価格は全て税込価格です。
#ギフト #クリスマスヒルズ #ザ・コンランショップ
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