INSTANT FLOW

毎日がブランニューデイ、そんな気分で——藤原ヒロシの連載「INSTANT FLOW」#55

騒がしい世の中と慌ただしい年末進行の中だって、歌なんて口ずさみながらInstagramに漂うHIROSHI FUJIWARA(hf)の謎を見つめる当連載。第55回は2022年9月〜10月にアップされた画像からおとどけします。毎日が新しいって幸せ。

INSTAGRAM & TALK BY HIROSHI FUJIWARA
TEXT BY MIKA KUNII

9月8日——夜、狼煙をあげる

——この写真。きれいでエモくて。
hf カルティエのイベントの場所が分かんなくって、ひとりで散歩していたいたらこの風景が。
——迷子だったんですね。
hf で、インスタに写真を上げたら関係者が「あ、どこにいます?」って気づいてくれて。
——狼煙ですね。
hf たしかに。会場はCITABRIA ANNEXってところでした。サウナハウスがあったりして、お店もエリアもあまり行かないところなんで、なんかおもしろかったです。

9月12日——にんにくを抜けばいいのに

hf 「みもっと」という目黒のタイ料理屋。めっちゃおいしかったですよ。また行きたい。
——お料理、洗練されてますねすごく。
hf きれいなタイ料理です。
——「久しぶりのタイ料理」ということは、普段はあまり行かない?
hf あまり行かないですね。にんにくがそんなに好きじゃないんで。
——パクチーと辛いのは平気?
hf パクチーは平気。辛いのはそんな好きなわけじゃないけど、まあまあいけます。にんにくがちょっと苦手なんですよ。
——でも、にんにくがあんまり好きじゃないと食べるもの、限られてきません? ペペロンチーノとかダメだし。
hf 食べられないわけじゃないけどね、にんにくを抜いてもらいます。
——抜きですか? ペペロンチーノでにんにく抜きと言われたシェフはどうするんだろう。
hf にんにくを抜くと本来のおいしさが分かると思う。何にでもにんにく入れると騙されますよ。
——でた海原雄山。
hf 使ってない人もきっと多いと思うんですよ。恐らく「みもっと」もそんなに使ってないのでは。
——なるほど。上質な素材の味で楽しむタイ料理、行ってみたいです。

9月13日——いま何週間生きていますか?

hf 友だちに薦められた本。NYタイムズ、WSJ絶賛の全米ベストセラーって書いてあるし、ちょっと読んでみようかなと。
——こういう帯って効くんですね。
hf 効いてるね。タイトルも。たしかに人生は4,000週間って限られると「ディナーあと何回だったら、この人と会うの何回かもな」とか考えますね。
——え? 人生って、4,000週間なんですか? そう言われると短くない? 
hf めっちゃつかまれてるじゃないですか(笑)
——メインターゲット(笑)
hf 物事を割り算をすると、結構おもしろいですよ。たとえば家賃30万のところに住んでる人は、1泊1万じゃないですか。5日間旅に出たら、ホテルの5万円と家賃の5万円も払うなとか。ビジネスホテルより高いじゃんとか。単に安い、高いじゃなくて、物事を割るとおもしろいって話で。普段からあまり考えてるわけじゃないけど。
——4,000週間って何歳まで生きる前提かな(76才)。「ヒロシさんには異常に長生きしてほしいです」って、コメントがついてますよ。
hf 僕は安楽死希望です。
——藤原さんの希望は、安楽死なんですね。
hf はい。死ぬ前に死にたい。
——死ぬ前に死にたい、か。死に方を選べるとしたら……なんかゴダールのことを思い出しました。
hf そう、あの人はスイスで安楽死。
——安楽死って、具体的には薬でですか?
hf いろんな方法があるんじゃないかな? スイスは、薬とかカプセルもあるみたいですけど。
——カプセルって? カプセルに入って空気を抜かれるとか?
hf それ安楽じゃないじゃん。死刑です。
——めっちゃ苦しい……。
hf 多分、カプセルの中で点滴とかじゃないですか。睡眠薬が先に入って……。
——眠るように。
hf うん。

9月15日——ドバイの友だち(私服篇)

——この人たち、以前のポストで出てきましたよね。そのときは中東の白い服を着てました。
hf そうです、ドバイの双子。
——東京に来たのですね。
hf しょっちゅう来てますよ。というかよく分かりましたね、この顔。
——だって藤原さんがその時も「ドバイの人」って書いていたから。ドバイで何をしているのですか、この人たち。
hf 本をつくってますね。『BROWNBOOK』っていう、すごいおしゃれな建築の本があるんですけど。『KINFOLK』とか『MONOCLE』の建築版みたいな感じかな。
——おしゃれなドバイの友だち。

9月15日——ティーシャツぶる〜す

——「Let’s get lost」、ブルース・ウェーバーがチェット・ベイカーを撮った映画ですね。
hf ブルース・ウェーバーのTシャツ、めっちゃ高いんです。
——この写真、顔が切れてますけど、いつかの藤原さんなんですね。物持ちいいっすね。
hf そうですね。捨てないタイプ。

9月16日——セイジは天才

——「天才セイジ」?
hf それね、永井誠治さんってアーティストの作品なんです。
——若い人ですか?
hf いや70才くらいです。展覧会の時に買って、久しぶりに出してきて、飾ろうかなと。

9月16日——カステラは直方体です

——「キミとホイップ」?
hf いただきものです。ルービックキューブみたいな正方形のカステラ。
——普通、カステラは立方体ですよね。
hf いや、普通のカステラは直方体じゃないですか?
——(笑)あ、そっか……(検索する)「純生カステラ キミとホイップ」。あ、キミって黄身なんですね。
hf なんか代理店っぽいね、コピーが。
——代理店っぽいコピーってどういうコピーですか?
hf だから「キミとホイップ」みたいなの。博報堂とか電通を辞めたクリエーティブディレクターがつくったのかな。ケトルがやりそう。
——えっと、それについてはもう少し話しましょうか(笑)

9月17日——YOU, アップデートする?

hf 新しいiPhoneが届いたんで。
——使い心地は?
hf いや、まだ13 miniを使っています。
——14、おっきいですね。
hf そうなんですよ。14 miniを出してほしい。
——その声、よく聞きますよね「やっぱminiのほうがいい」って。
hf 特に日本人は手が小さいから。海外仕様と日本仕様と作りわけるのが以前の考えだったと思うけど、もうサイズが大きくないとテクノロジーが入らない。カメラもOSも違うし。今後はこれになってくらしいです。
——じゃあ、根本的なアップデートなんですね。もうminiもでないのか……。まだXを使ってるんですけど次どうしよう。
hf どうせ買い換えるんだったら、その時の最新を買うのがいいんじゃないですか。

9月17日——HFおすすめのトランプ遊びは

hf 立花ハジメさんデザインのトランプ。
——新作ですか? でも既に使い込んでる感じ。ジョーカーはどんな柄なんですか。
hf 次に出てます。
——あ、トランプらしい! 藤原さん、トランプで遊ぼうってなったら何をします?
hf マキャベリ。
——え……何それ(注:トランプ2セット(106枚+JOKER4枚)を使う、かなり頭を使うゲーム)。

9月17日——Sometimes pink

——藤原さんのナイキ。ピンクコレクションかわいいですよね。
hf ピンク、ときどき買っちゃいます。

9月17日——たけのこの誓い

——ヒロシの里。
hf インスタで「たけのこの里」が好きって書いたのを見たのかな? 送られてきました。でも、会員証に「一生、たけのこの里を食べます」みたいなことを無理やり書かされてます(笑)
——(笑)義兄弟の契りみたいな。私もたけのこ派ですが。
hf きのこ派はいつまでたっても、クッキーとチョコが口ん中で混ざんないですよね。
——出会えませんね。
hf あれは別々で食べてもおいしいよね、てことなんでしょうね。

9月17日——クマさん好きですが、なにか?

hf シュタイフのオークション用に作ったもの。
——フラグメントベア、かわいい。売れちゃったんですかね。
hf 知らない。
——売れたでしょうね、かわいいもん。クマ好きですか? テディベアとかパディントンとか。
hf うん。

9月19日——フィオレンティーナのソフトクリーム

——フィオレンティーナのソフトクリーム、めっちゃおいしいですよね。甘いもの好きの部活っぽい様子。カップ派ですか、コーン派ですか?
hf その時によりますよ、派閥じゃなく。仕事しながらだと手がふさがるなという時はカップ。
——真っ当な返しがきました。

9月19日——ラウンジ鮨、食いねェ!

——羽田鮨。ANAですか?
hf うん。羽田のラウンジのお鮨、よく見たら立派だったので。
——ラウンジではよくお鮨食べるんですか? カレーでなく。
hf いやお鮨は初めて。

9月20日——はじまりはいつも独

——というわけで、いつものフランクフルト経由。このとき9月でしたけど、もう寒かった?
hf めっちゃ寒かったですよ、ヨーロッパは。

9月20日——飛んで円安

——ヨーロッパ、物価が高い。わかってたけど衝撃。「m&m’s」430円。てか、こういうヌガーっぽいのお好きですか?
hf あんま食べないです。

9月20日——僕のミラノめし

——こちら。挨拶がわりの……。
hf ハム抜きのチーズトースト。

——そしてミラノの「ラッテリア」で、世界一のレモンパスタ。この食べ終わり感がめっちゃおいしそう……変態っぽくてすみません(笑)
hf どこ褒めてるんですか(笑)

——そう! これ、とっても気になりました。
hf 目玉焼きにボッタルガがかかってる。
——うわ、シンプルでめっちゃおいしそう!
hf 痛風メニュー(笑)
——ですね、卵に卵。イタリアンで目玉焼きってメニュー、日本ではなかなか見かけませんけど、こういうシンプルなメニューいいなぁ。

9月21日——So traditional.

——traditional?
hf トラッドなお店の感じがよくて、写真を撮っただけです。
——トラディショナルなイタリアンレストランってことですかね?
hf そうじゃないかな。みんなが想像するイタリアンって感じです。
——この窓のカーテンといい、お客さんもいい感じで。幸せそうですね。

9月21日——通りすがりの別世界

——圧倒的スイスの景色!
hf スイス、通りがかっただけだけど。イタリアからだと横浜みたいな感覚です。
——東京―横浜感覚でスイスに行けるんですね。標高が高い場所でした?
hf 基本的に山に囲まれてるから、抜ける時にはどこかの山はちょっとかすめていきますね。

9月21日——マセラティでバディ・ムービー

——イタリアから車で行ったってことですか? マセラティで?
hf はい。マセラティに連絡して、借りました。
——藤原さんが運転を?
hf そう、僕と友だちの2人だけで。
——気楽で気持ちいいロードムービーみたいです。

9月21日——サービスエリアのサイバー空間

hf ハイテク感トイレ。
——この便座がセンサーで下りてくるんですかね。
hf そうじゃない? サービスエリアの、トラックの運転手が行くような普通のトイレです。
——なんか落ち着かないですね(笑)。落ち着いてほしくないからだろうか。
hf でも本当のハイテクじゃないですよ、たぶん。あちらのトイレって単にステンレスを使っているのが多いから。合理的なんだと思う。
——ステンレスだと清潔で合理的なんですねきっと。見た目、サイバーな感じだけど。

9月21日——日本のファーストフードは世界一(個人の感想です)

——これレギュラーサイズですか?
hf レギュラー。チキンナゲット2つ、など。
——2つにしてはすごい量。ナゲットがおっきい気がするんだよな……。
hf 量は多かったですよ。日本だったら5個ぐらいじゃない?
——日本に来た外国の人は量が少ないってびっくりするんですかね。
hf たぶん、おいしさにびっくりします。ファストフード、日本が一番おいしいと思う。
——そうなんですか?
hf 全然おいしいです。コーラだって味、違いますよ。国によって違うんじゃないですか?
——原料も違うんですね。世界で同じものかと思ってました。
hf スタバだって違いますもん。同じようにはできないのでは? そもそも水が違うしね。

9月22日——時速260キロのマリオカート

——そして、スイスを通過して、向かった先がチェコ。
hf スイス、スロベニア、ドイツ経由で。
——車でどれぐらいかかりました?
hf 9時間ぐらい。
——ロングドライブでしたね。チェコの空、美しい……。
hf でも僕は車のほうが断然、好きですね。みんな「飛行機で行け」って言うけど、荷物を降ろしたり電車も乗り換えたりでなかなか面倒じゃないですか?
——気楽っていう意味では車ですね。あおり運転とかって、あるんですか?
hf いや。マナーが違いますよ。ヨーロッパはすごく走りやすい。ドイツとか、ほぼフリーだから追い越し車線にほとんどいない。日本って、追い越し車線にトラックがいたりして抜きたいのにどいてくれなかったり、あまり運転してない人が追越車線にいたりするけど、向こうはいないし。
——ストレスが少ないんですね。
hf ですね。時速260キロのマリオカートみたいなもんです。
——怖い怖い(笑)。藤原さん、自動運転とかどう思いますか?
hf あったら便利かもしれないですよね。
——「自動運転の車あげる」って言われたら乗ります?
hf 乗りますよ、たぶん。でも街全体で自動運転をやらないとだめだと思いますけど。一部だけやっても……ね。

9月22日——ミッドナイト in プラハ

——プラハの夜。きれいな街ですね。賑わっているんですか?
hf まあまあですね。アジア人はほとんどいなかったけど。
——ロマンチックですね。
hf プラハ、いいですよ。

9月22日——ゲゲゲのアブサン

——「プラハのおばけ(アブサン)」。この絵は?
hf いつも行くカフェ、何て名前だっけな。そこに飾ってある絵です。アブサンを飲むと出てくるというおばけ。アブサン、僕は飲まないけどグリーンなんでしょ?
——(調べる)よもぎ入りの緑色のもあるんですね。グリーンフェアリー、飲み過ぎると出てくるんでしょうか。
hf お店は、カフェ・スラヴィアだ。ここは歴史のあるカフェで「プラハの春」の時にも学生たちが会議をしたり、作家や詩人が通ったり。ルノアールみたいな場所です。
——ルノアール(笑)

9月22日——それは目に見えるところにも

hf カレル橋っだったかな? プラハの有名な橋なんだけど、薄暗かったです。たぶんロシアの影響で灯火を制限してるのかもしれない。普段はもっとライトアップされているイメージだったんだけど。
——ヨーロッパ、そんなところにも影響が。
hf ガスが全然ないから。
——怖いですね。

9月22日——初めての街の、初めてのカフェ

——ここも気になってたんです。朝ケーキ。
hf よく行くカフェです(オベツニー ドゥーム)。プラハに昔からあるお店。
——高いアーチの天井も、カーテンも、照明も、めっちゃかわいくないですか!?
hf 初めてのプラハで、最初に訪れたカフェでした。街の中心地にホールがあって、その下にあるカフェです。
——そんなの素敵すぎます。このケーキは何味?
hf バターケーキみたいなの、たぶんね。

9月22日——お花、クマさん、アイスクリーム

——そして、同じカフェでケーキとアイスクリーム。
hf この、なんというか田舎っぽいヨーロッパの良さが、そのまま残ってる。
——クマさんとか、テーブルに活けてあるお花の感じもかわいい。行きます。もしプラハに行くなら、きっと。

9月23日——帰り道、寄り道、ポルチーニ

hf ポルチーニの季節でした。
——おいしそう。このカプレーゼをのっけたパンも。ここは、イタリアなんですね。
hf イタリアのドロミテ。オーストリアとの国境の近く。
——北の方ですね?
hf そうです。旅の帰り道に「どっか泊まろう」って言って、友だちに連絡したら「そこがいいよ」って言われて。アマンが買収したホテルなんだけど、そこのレストランだった気がする。

9月23日——ふり向けば、アルプス一万尺(歌詞は29番まである)

hf ドロミテには夜中に着いたんで真っ暗で外がよく分かんなかったのだけど、朝起きたらこれだった。
——アルプスの美しい朝が、おはようと。
hf イタリアンアルプスですね。南チロル。

——心が優しくなる眺め〜。ほんとにこういう暮らしの風景って、あるんですね。
hf ホテルだと思いますけど。
——ホテルか(苦笑)。でも、かわいい。

——ハイジは? ハイジはどこ?
hf ここはですね、ドロミテの上。車で行けるところまで登ってみたんです。
——ほんとにこんな、リアルおんじの小屋みたいなところがあるんだ……。
hf たぶん、世界遺産みたいなところだと思いますよ。
——もう、チョコのパッケージにしたいです。

——はい、天国。
hf でも、ちょっと高山病になった気がします。標高2,750メートル。駐車場から700メートルぐらいケーブルカーで登るんですけど。
——そんな上までケーブルカーで行けちゃうんですね。それで酸素が薄くなって……。
hf すぐ帰った、怖いんで。
——空が青くて。もうコメントができないぐらいきれい。
hf 空が広くて。ちょっと向こうでは戦争してるんだけどね。
——つながってる空の向こうでは。

9月24日——猫、地下鉄、プラハの友だち

hf ミラノに戻ったら、モンクレールのイベントのインビテーションが。
——この方はどなた?
hf 友だちのサイモン・ベーカーっていう人なんですけど。彼に会いに行きました。
——昔っからのお知り合いなんですか?
hf 当時セックス・ピストルズの取り巻きで、いつも一緒にいた人です。
——あのドラマ(Pistol)には?
hf 出てきますよ。なんで、まあまあいい年の人だし、ずっと会ってなかったんでプラハに会いに行きました。
——うれしいですね。友だちがプラハまで会いに来てくれるなんて。
hf いいですよね。友だちに会いに行くって。

——このコメントの「猫」が謎でした。
hf 猫っていうバンドが歌ってた「地下鉄に乗って」っていう歌、知りません? めっちゃいい歌です。吉田拓郎の作曲だと思う……違うかな。
——知らなかったです。プラハの地下鉄って、フレームが赤くてかわいいですね。

9月24日——ジル・サンダーの引力

hf Jil Sanderのショー、すごく良かったです。
——ここ、どこですか?
hf 場所は知らないです、ミラノの田舎。ちょうど雨が降ってて、それも良くて。
——こういう何にもないところにわざわざみんなを呼ぶ引力って、すごいなあ。
hf 東コレも、いろんなところでやりますけどね。
——そうですね。この植物園みたいな庭でやったんですか、そのために造り込んだ庭なんですか?
hf うん、たぶん造り込んでると思う。めっちゃ良かったですよ。
——すごい。じゃあ消滅するんですね、このショーが終わったら。ブラボーというしかない。雨が降ってるけど、傘すらも良い感じ。

9月24日——締めは濃厚トマトパスタ

——そして、すてきなショーを見た後に。真っ赤なトマトそのままのようなパスタ。
hf トマトパスタ。シンプルなのが本当においしいですよ。

9月25日——モンクレールのいちばん長い日

hf ピサのドゥオモ広場で全然知らない人が、僕がデザインした服を着てたから撮りました。
——あ、お友達じゃないんですね。いつ頃の?
hf 3〜4年ぐらい前のかな。
——偶然のうれしさ。カシャ。

——何のショーですか?
hf モンクレールです。

——こちらのマダムはどなた?
hf リック・オウエンスのミューズというか奥さんというか魔女です。
——魔女! 魔女エピソードあります?
hf まず見た目が。この時はまだまだですが。前に見かけた時は、頭に鹿の角をつけてました。
——じゃあ全然おとなしい日でしたね……雨だからかな。確かに、スタイルをお持ちのような雰囲気。

——うわ、モンクレール。すっご!
hf すごかった。2万5,000人の観客と2,000人のダンサー。
——オリンピックの開会式みたい。マスゲームですか。
hf Duomoを貸し切りにして、駅も封鎖で。そういうの日本じゃ無理ですよね。
——すごいなあ。モンクレール、何かのお祝いだったのですか?
hf 70周年です。
——イタリアでの影響力がすごいんですね。
hf まあね。だって日本で、どんだけ大きなブランドが「表参道の駅封鎖させてください」って言っても、ね?
——すごいですね、としか言えない〜。

——この人は?
hf 知らないんですよね、誰だったかな。モンクレールのイベントでいつも会うんだけど……韓流の誰かじゃないですか? インスタ見たらわかるんじゃないかな。
——たしかに韓流っぽいですよね……あ、441万フォロワー。何かOptimushwangっていう名しか書いてなくてよくわからない。でも、めっちゃうれしそうに写真撮ってますね。藤原ヒロシに会ったよー。

——ショーン・ホワイトですね。
hf ショーンは子どもの頃から知ってますけど、会うのは久しぶり。連絡先交換しました。
——子どの頃とは、10代?
hf そうですね。その時からスノーボード・スターだったから。僕はBURTONとずっと仕事をしてるので、チームメイトだったんです。
——実は長いつきあいだった。
hf 今は、幾つぐらいかな。もう30代かな。

9月26日——ミラノ風アンチョビの食べ方

——アンチョビ?
hf アンチョビ。ミラノでは普段からアンチョビをよく使うんです、アンチョビとバターとパン、それだけで。
——パスタに入っているのはよく食べますけど。アンチョビそのものをいただく感じ、素材の組み合わせだけでおいしそう〜。

9月27日——お椀だふる

hf 新ばし、星野。
——サツマイモですか?
hf ナスかな?
——それが白みそに……。想像が味蕾に染みます。

9月30日——NBA観戦にまつわるエトセトラ

hf NBA。
——にぎわってましたね、この日。
hf そうかな。

——だってYahoo!ニュースで見ましたよ(笑)。広瀬すず、大阪なおみ、堀米雄斗……。
hf 僕とAwichは、おまけです。
——何でおまけなんですか(笑)
hf ほんとそんな感じですよ。ゴールドメダリスト、テニスプレイヤー、女優、「ちょっとカルチャーよりも入れとくか」みたいな写真が、これです。
——ご招待があったんですか?
hf はい、ナイキチームの。
——ちなみに席順は決まってました?
hf 決まってました。おまけです。
——いやいや、すずちゃんのお隣、お似合いです。

——わー! 八村塁だー、迫力! すごい席ですね。
hf はい。

10月2日——ふわっと時空を超え

hf 80年代。
——20代?
hf でしょうね。ふわっと出てきた写真。誰が撮ったんだか。
——靴下、かわいいですね。

10月2日——ベビースター・トラップ

hf ベビースターラーメンの違う味って、何でつくるんでしょうね。ポテトチップスも。
——バリエーションをつけないと飽きられちゃうから?
hf これもどちらかといえば飯田商店のほうがおいしかったけど、もうオリジナルには絶対に勝てないというか。ポテトチップスだって結局、うす塩とかコンソメパンチのほうがおいしくないですか?
——カップヌードルも。でも、そうやっていろいろ買ってもらった上で、結局「原点がいいね」「やっぱ基本でしょ」という意見に落ち着くのでは?
hf なるほど。いいマーケティングなんだ。
——新しいの出るたび、こうやって買っちゃう人がいるから。浮気させて、元のサヤに……。
hf まさにそのとおり。めっちゃ罠にはまってるじゃん。

10月4日——春、夏、秋、栗、冬

hf 栗の季節。
——「虎屋」の栗だ。栗だ栗だ。「成城アルプス」のマロンシャンテリー、長野の「小布施堂」のモンブラン……また今年も、いい季節に。

10月5日——壁にいるのは誰だ

——今井麗さんだ。壁ウララ、どちらの壁に?
hf 自宅です。
——お隣の作品は?
hf 上と下、ウォーホル。その隣がアラーキー。
——壁ウォーホル、壁アラーキー。

10月6日——一瞬のさんま定食

hf 焼きさんまずし。
——究極ですね。一口さんま定食。めっちゃおいしいそう。
hf 「鮨 あらい」

10月6日——日本でいちばんの里山

——そして、NARISAWAですね。
hf 時間外に、雑誌の撮影で行ったら、料理も一緒にどうぞっていうことで。ひとりで里山。
——あら、ぜいたく。これは何ですか?
hf NARISAWAのシグネチャーで、最初に出てきます。乗っているものはすべて食べれるんですよ。もう食べちゃった後ですけどね。
——そっか……どれを食べてたのかなって思いました。
hf 全部。このパウダーも食べれます。NARISAWA、やっぱり一番おいしいですね。

10月6日——ISSEI YUASA

——こちらは?
hf 「ISSEI YUASA」という西麻布にあるイタリアン。初めて行ったんですが、おいしかったです。
——和の器でしょうかね。
hf 凝ってましたね。

10月8日——ポールさんとお茶しました

——ポール・スミスさん。英国紳士の佇まい。すてきですね。
hf ポールさん、久しぶり。来日して「久しぶりにお茶しよう」って連絡が。
——なかよしなんですか?
hf 20代の時から知ってるんだけど、10年ぐらい前にたまたま電車で一緒になって、それ以来。
——たまたま電車で一緒に?
hf ユーロエクスプレスでしたね。
——山手線かと思った……。
 

profile

藤原ヒロシ|Hiroshi Fujiwara
1964年三重県生まれ。DJ、音楽プロデューサー、ファッションクリエイター。英米で触れたクラブ文化を80年代の日本に持ち込むなど、音楽とファッションの両軸で日本のストリートカルチャーを牽引。現在、デジタルメディア「Ring of Colour」を運営する。京都精華大学ポピュラーカルチャー学部客員教授。