暑い夏が過ぎて9月に突入するも、まだまだ暑さが残る今日この頃。しかしランニングが心地いい秋が刻一刻と迫ってきた。今よりタイムを縮めたい。もっと楽しく長く走りたい。そんなランナーにぜひルーティンにしてほしい柔軟運動と、今から始められる走力を上げる練習法を、「ルルレモン 六本木ヒルズ」ストアアンバサダーであり、元実業団選手のランニングトレーナー・森川千明さんに尋ねた。
TEXT BY nao kadokami
PHOTO BY aya kawachi
緩めるべきは2カ所! パフォーマンスを上げる柔軟運動
ケガを予防するには一に柔軟、二に柔軟! ……とばかりに、走り出す前にアキレス腱を一所懸命伸ばす。心意気はスバラシイが、柔軟運動としては残念ながらお粗末だ。
「走り出す前なら肩と股関節の可動域を広げる柔軟運動を行ったほうがいいと思います。この2つの関節は連動していて、それぞれの動きがスムーズになるようにストレッチしておくと、腕をしっかり振れるようになればストライドの幅も自ずと広がります」(森川さん)
またカラダを機能的に使える=ムダな動作がなくなると、ランニング中の疲労が軽減される。同時に楽な呼吸を続けられるようになれば、長い距離も快適に走れる。シンプルな柔軟運動を念入りに行うだけでもパフォーマンスに大いに貢献してくれる。
走力アップや走れるカラダに有効なプラスワンメソッド
また秋のランニングシーズンに快走したい。そんなランナーは普段のジョグが終わった後に走力を上げる独自トレーニングを取り入れてみるのも一案だ。秋手前の時期には、以下2種類のメソッドから毎日いずれかを選んで実践を。
「日差しが強かったり、まだ暑かったりして、長距離を走るのが難しければ区切ればOK。例えば10km走る予定だったなら5kmと5kmに分けて走る。その人の走力やコンディションによりますが、私なら最初の5kmが終わったら5分ほどインターバルを取って歩きます。せっかく上がった心拍数が落ちないように、早歩きを意識すると、マラソンにも生きるはず! 今の時期から少しの距離でも走る。これをコツコツ積み重ねていれば、涼しくなった時にずっと走りやすくなっているはずです」(森川さん)
また長く快適に走り続けるには、心肺機能を向上させるトレーニングが欠かせない。そこで森川さんもジョグの後によく行うのが「坂道ダッシュ」。
「200〜300mを10本ほど行います。平坦な道を走るより、坂道を選べば心肺機能に負荷がかかりやすく、トレーニング効率が上がります。またジョグは筋肉を一定の動きで使うので疲労が溜まりやすいですが、ダッシュすると違う刺激が入るのもあり、坂道ダッシュを始める前より疲労感がなくなるし翌日の筋肉痛も軽減される気がします」(森川さん)
坂道ダッシュの成果を上げるにはフォームが大切。一番は地面を蹴ろうとせず、リズムよく軽やかに足を着地させることで、脚への負荷をなるべく抑えられる。また足元を見すぎると気道が狭くなり呼吸も辛くなるので、アゴを軽く引き、目線を2〜3mほど下の地面に向けるよう意識すること。
ランでパフォーマンスを上げるには、走れるカラダに整える柔軟運動と走力を上げるトレーニング、両方大切だ。体調にはくれぐれも配慮しつつ、今の時期からできることを一つひとつ丁寧にこなして、秋を迎えよう!
森川千明|Morikawa Chiaki
「lululemon六本木ヒルズ」ストアアンバサダー/ランニングコーチ。三条東高校卒業後、陸上競技選手としてスターツ、ユニクロに所属。主に中距離競技に取り組み、1500mでは日本歴代9位となる4分12秒75を記録。2018年に現役引退し、TOKYO BAY RCのランニングコーチに就任。ランニングイベントやマラソン大会のゲストランナー、市民ランナーの指導を行う。
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