IKUKO’S METHOD

今すぐ着たいあたたかな春もの——地曳いく子のおしゃれメソッド108

ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回のテーマは早春に着たいアイテムです。

STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA

「今イキ」で楽しむのがファッション

2月は最強寒波がやってきたり、東京でも雪が積もったり、例年以上に寒さとの戦いでしたが、月末に近づくと23℃を超えたりと急に春がやって来ましたね。10℃以下の寒い日は、黒のカシミヤに黒のダウンジャケットを羽織っていても何も感じなかったのですが、15℃になった途端、あれ? 何か重いんじゃない?と思いはじめ、気持ちが落ち着かなくなりました。私の人生、季節を問わず基本は黒のワードローブだったのですが、この数年、気持ちの変化か、少しずつ黒以外の色にシフトしつつあります。クローゼットの服の色の割合も“黒以外”が増殖中。そして、この急な気候の変化に、心と身体がきれいな色を求めはじめたようなのです。人はその時着ているものに気持ちも左右されます。着るものと気分には相乗効果が絶対にある!ということで、春の弾んだ気持ちを取り込むべく、今だからこそすぐ着たいあたたかな春ものを今回は考えてみました。

最初から袖を捲ったようなスタイリングのデザインがユニークなトレンチコート。クシュクシュと捲り上げた袖が形作られているので、一枚羽織ればトレンドのスタイルに。ワイドパンツで揺れのあるしなやかさを足して上品に。トレンチコート¥97,000、カーディガン¥33,000、ニットトップ¥28,600(以上、ドゥーズィエム クラス)、パンツ¥105,000(ダークパーク/以上、ミューズ ドゥ ドゥーズィエム クラス ロッポンギ/六本木ヒルズ ウェストウォーク 2F

シンプルなVネックのニットとかと思ったら、取り外し可能なシャツの襟もとが合体しているというデザイン。一枚で2通り楽しめる。ボトムはとろんとした光沢のあるワイドパンツで今年らしく。トップ(襟は取り外し可能)¥34,100、パンツ¥50,600(以上、エブール/六本木ヒルズ ウェストウォーク 3F

アンサンブルとしても着ることができるコットン素材のカーディガンと七分袖のニットトップ。ボリュームのあるしなやかなパンツで軽やかさを。コットンのカーディガンは夏に向けてもかなり出番が多くなるはず! カーディガン¥34,100、ニットトップ¥31,900、パンツ¥36,300(以上、エブール/六本木ヒルズ ウェストウォーク 3F

サイドラインがあしらわれた透け感のあるざっくりニット。ニットの魅力を活かしてシンプルなスタイルでまとめたい。この時季ですがサンダルを合わせたくなります! ニットトップ¥49,500、パンツ¥71,500(以上、エストネーション/六本木ヒルズ ヒルサイド 1F・2F

デニムのフレアスカートを主役にスタイリング。重くなり過ぎない軽いデニムのスカートに春らしさを感じます。カラフルな組み合わせも、落ち着いた色味のトーンでまとめればOK。カーディガン¥61,600、ブラウス¥52,800、スカート¥61,100(以上、デザインワークス/デザインワークス 六本木ヒルズ店/六本木ヒルズ ウェストウォーク 3F

クレリックシャツがポイントのスタイリング。全体はゆったりとしてカジュアルですが、クレリックシャツを合わせると上品な印象に。仕上げは、ニットから白い袖口を覗かせて。Vネックニットトップ¥18,000、シャツ¥14,000、デニムパンツ¥18,000(以上、バナナ・リパブリック/虎ノ門ヒルズ グラスロック B2F

きれいな若葉色のカーディガンとワンピース。あたたかなニット素材と爽やかなコットンの組み合わせは、早春に楽しみたい異素材コントラストのスタイリング。カーディガン¥18,000、ワンピース¥22,000(ともにバナナ・リパブリック/虎ノ門ヒルズ グラスロック B2F

鮮やかなピンクがきれいなコットンのローゲージニット。ブルーのシャツをインナーにすると鮮やかなピンクもナチュラルな印象に。ニットトップ¥23,100、シャツ¥20,900、パンツ¥25,300(以上、エーケー ワン/ビームス/六本木ヒルズ ウェストウォーク 2F・3F

レザージャケット好きとしては、この時季に一枚は欲しい柔らかで軽いラムレザージャケット。シンプルなデザインなので、さまざまなアイテムとも相性よし。パンツにはシャリっとしたハリ感のあるパンツを合わせても。ピアスでフェミニンさを足して。ジャケット¥154,000、カットソー¥20,900、パンツ¥94,600、ピアス¥16,500(以上、オスロー/ソブ ダブルスタンダードクロージング/六本木ヒルズ ヒルサイド B1F

ポケットがアクセントになったジャケット風カーディガン。ワイドデニムもセンタープレスの入ったきれいめボトムを選べば、カジュアルなのに上品さが漂うスタイルに。トップの丈とボトムのボリューム感との対比で足長効果も!? カーディガン¥39,600、パンツ¥59,400(ともに、キャバン/麻布台ヒルズ タワープラザ 2F

質感のある春らしいコットンカシミヤのカーディガンとホワイトシャツ。軽やかなレザータッチのスカートで上品かつリラックスした雰囲気に。カーディガン¥148,500、シャツ¥107,800、スカート¥94,600、シューズ¥97,900(以上、オスロー/ソブ ダブルスタンダードクロージング/六本木ヒルズ ヒルサイド B1F

光沢感のあるコットンシャンブレーのジャケット。これからの時季は大活躍すること間違いなし。タペストリーのようなジャカード織のスカートを合わせて、楽しさのあるスタイリングを。ジャケット¥66,000、ニットトップ¥42,900、スカート¥52,800(以上、キャバン/麻布台ヒルズ タワープラザ 2F

コンサバジャケット風のテイストを落とし込んだカーディガン。スカートにもワイドパンツにも相性のよいデザイン。寒い日や軽井沢に遊びに行ったときは、パフっとしたショート丈のジャケットを羽織っても。ダウンジャケット¥132,000、カーディガン¥28,600、スカート¥33,000(以上、エストネーション/六本木ヒルズ ヒルサイド 1F・2F

地曳いく子が考える
「今イキ」な春もの

❶ 春は色と素材の軽やかさでキマる

あたたかくなってきたとはいえ、朝晩の冷え込みや寒い日もまだあるこの季節。でも、気持ちは春にシフトしたい。まず考えるのは色。春色といえば、薄いピンクや若葉色などのグリーン、さわやかなブルーなどでしょうか。けれども、色だけでは春の気分にはなれません。そこに素材の軽やかさがプラスされてこそ。今、取り入れる春ものとして提案したいのが、たとえば、若葉色のカーディガンに同系色のコットンのワンピース。色だけでなく、コットンという軽やかな素材感を足すだけで、仮にカーディガンがウール系だとしても春のスタイルになります。今だからこそできる、あたたかさと軽やかさの異素材コーディネイトを楽しむことを大切にしたい。また、この時季になると爽やかに見えてくる色もあります。ペールグレーのニットトップとアイスブルーのシャツの組み合わせを考えてみてください。冬にこのコンビネーションはかなり寒そうですよね。でも、日差しが強くなってきた今、トップを軽やかなコットンのニットにしてみると、なんだか爽やかな印象。冬では寒そうだった色の組み合わせが、気持ちの変化で爽やかに見えてくるのです。それが春色というものなのではないでしょうか。

以前は、色の組み合わせにもルールがありましたが、今年はそれをガンガン崩していきたい気分。ピンクとブルーとイエローなんていう三原色に近いバラバラの色を組み合わせてみるなど。全体のトーン(色調の濃さ)をペール系で抑えておけば、カラフルでもまとまった印象を作ることができます。そんなポップな感覚をこの春は取り込みたい。ダークカラーがお好きな方は、この時季なら少し光沢のあるものを選んでみてください。光を反射する艶感が軽やかさを足してくれます。

❷ ボリュームと丈の進化を見逃すな!

この数年はオーバーサイズのトレンドが続いていますが、トップスに少し変化が。先シーズンはお尻まで隠れるぐらいの丈の長さがトレンドでしたが、今年はボリューミーなシルエットでも丈はウエストまわりまで短くなっています。トップスは短め、ボトムスはボリューミー。そんなバランスが今。最近のトレンドは、ボリュームや丈の変化で作られているといっても過言ではないほど。だからこそ、今しか着られない服の進化を見逃さないように。今年らしさのボリュームを手に入れるからこそ、新しい季節がきたと感じることができるのです。今年は、小綺麗でこなれたスタイルを目指しましょう。

❸ 永遠よ、さようなら。季節限定スタイル上等!

今回の裏テーマは「今を生きる」「今イキ」です。ずっと着られるものや、一生ものという言葉に踊らされてきた私たちですが、今を生きることがファッションなのだと、最近はつくづく実感します。ファッションは人生に必要かどうかと問われれば、私の場合は、人生を楽しむ、気持ちを上げるために不可欠なもの。主食のお米とパンだけ食べているのでは物足りない。たまにはちょっと浮かれたものも食べてみたい、そんな感じです。今の時季を楽しむ服だって、週3で着ればコスパもかなり上昇します。「コスパ=安い」の理論で選びイマイチな服を手に入れても、結局あまり着なければそれは“コスパがいい”とは全く言えませんから。その時その場の「今イキ」を自分流に取り入れていくことこそおしゃれ道なのです。


profile

地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、女優や著名人のスタイリングも数多く手がける。大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評を持ち、執筆も多く手がける。現在は、ファッションアイテムのプロデュースほか、テレビやラジオに出演するなど多方面で活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)『おしゃれは7、8割でいい』(光文社)『大人の旅はどこへでも行ける 50代からの大人ひとり旅』(扶桑社)など多数。最新刊に『ババアはツラいよ! 番外編 地曳いく子のお悩み相談室 2』(集英社文庫)。

※ 2025年2月現在の情報となります。
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