Breezy Elegance

軽やかな春のノーブルカラー——地曳いく子のおしゃれメソッド97

ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回のテーマは春色です。

STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA

ライトカラー、ライトウェイトな春

暑さ寒さも彼岸までと言われるように、急に春の暖かさを感じるようになってきた今日この頃。日差しは確実に強くなってきて、日中はもう暑いぐらいに。この春の陽光に照らされると、いくら寒さが戻っても、もうダークなコートに袖を通す気にはなりません。もっと軽くいきたい!そんな気分ではないでしょうか。少し前までは、かっちりとした濃い色が好きで、バッグも靴もブラックという黒好きな私だったのですが、今では気がついたらパステルや白を選んでしまっている自分がいて……。そんな自分に驚いています。でも、それが時代の流れ。時代がいい意味で軽くなってきたので、自然と身に着ける色も変わってきたように感じます。今回は、春への気分をあげるパステルやオフホワイトに注目。気持ちを軽やかにする小物たちを手に入れ、新しい時代の波に乗っていきましょう。

上品なパステルカラーで彩られたエルメスの《カレ》(フランス語で正方形の意味も)。首もとに巻いたり、バッグにあしらったりするだけで、春風に乗ってどこまでも行けそうな気持ちになってきます。馬が颯爽と走る《カレ70》のタイトルは「風に酔いしれて」。ブルジョワな遊び心を感じます。カレ70左¥64,900、カレ90右¥88,000(エルメス/麻布台ヒルズ ガーデンプラザC1F

アイコニックな《ケリー》のバックルがアクセントになったポインテッドトゥのバレエシューズ。素足で履いてデニムの足もとに覗かせたい。もちろんワンピースにも。シューズ¥240,900(エルメス/麻布台ヒルズ ガーデンプラザC1F

ライトブルーと白のコンビネーションが爽やかな《ディオール オブリーク》ジャカードのバッグたち。軽やかでカジュアル、でもチェーンやチャームのゴールドにさりげなくラグジュアリーな重厚さが漂います。バッグ手前¥280,000、奥¥365,000(ディオール/クリスチャン ディオール/麻布台ヒルズ ガーデンプラザC

春らしいウォレットに新調するのもおすすめ。バッグから取り出すウォレットが、軽やかなライトカラーだったら素敵ですよね。ウォレット手前¥89,500、奥¥125,000(ディオール/クリスチャン ディオール/麻布台ヒルズ ガーデンプラザC

アルチザンな技が光るグッチの大人なトートバッグ。ナチュラル&ブラウンのラフィア エフェクトの素材でGGパターンをあしらったクラフト感のあるバッグを持てば、陽気な季節へとまっしぐら。バッグ¥506,000(グッチ/グッチ六本木/六本木ヒルズ 六本木けやき坂通り1F

色とりどりの花が咲くグッチフローラ プリントをあしらった華やかなシュシュ。春先の乱れがちな髪をサッとと束ねるだけで、一気にそこに春風が吹きます。シュシュ¥31,900(グッチ/グッチ六本木/六本木ヒルズ 六本木けやき坂通り1F

ブルーともグリーンとも言えない柔らかな色合いが上品で個性的なバレンシアガの「ミネラルグリーン」。同カラーのウォレットやコイン&カードホルダーは日本だけの展開。バッグはもちろん、小物ひとつ持つだけでも手もとに春がやってきます。ウォレット¥66,000、コイン&カードホルダー¥49,500※ともに日本限定カラー、バッグ¥324,500 ※すべて予定価格(バレンシアガ/六本木ヒルズ ウェストウォーク2F

クリームがかったオフホワイトがエレガントなヴァレンティノのバッグ。ダイヤ柄のステッチやヴィンテージゴールドな色合いのチェーンがレトロでクラシカルな雰囲気に。柔らかなピンクのキーケースがバッグからさりげなく出てきたら、最強の春のコンビネーションではないですか!キーケース¥56,100、バッグ¥330,000(ヴァレンティノ ガラヴァーニ/ヴァレンティノ/表参道ヒルズ 本館1F・2F

印象派の絵画のような淡いパステルブルーが印象的なセリーヌのウォレット。《トリオンフ》メタルのスナップボタンクロージャーがエレガントなアクセントに。ウォレット¥92,400 ※予定価格(セリーヌ/麻布台ヒルズ ガーデンプラザB 1F・2F

バーバリーのシンボル「馬上の騎士」からインスパイアされたナイトバッグからミニショルダーバッグが登場。クリップの取り付け箇所によってストラップの長さの調節が可能。オフホワイトとゴールドの金具が洗練されたコントラストに。バッグ¥258,500(バーバリー/六本木ヒルズ 六本木けやき坂通り1F

透明で柔らかなTPU素材を使ったクロエのジェリーサンダルとウェッジソールサンダル。リゾートだけでなく、タウンでもぜひ履きたい逸品たち。足もとから春風を吹かせたいです。サンダル¥84,700、ウェッジサンダル¥152,900(クロエ/表参道ヒルズ 本館1F

グリーンとブルーの中間色のような淡い色が美しいマルニのバッグとウォレット。オフホワイトやピンクとのコンビネーションがより春のムードをアップさせます。ハンドステッチのぬくもりも素敵。ウォレット¥86,900、バッグ¥196,900(マルニ/表参道ヒルズ 西館1F

シックな色合いのピンクが優美なクリスチャン ルブタンのバッグ。スタッズやロゴまで同系色でまとめたデザインがシックでロックな雰囲気。2本ストラップのパテントレザーシューズ《ミス ジェーン》は足もとのアクセントに。バッグ¥308,000 ※4/14から価格改定予定、シューズ¥134,200(クリスチャン ルブタン/六本木ヒルズ ウェストウォーク2

地曳いく子が指南する
今年の春色の選び方・取り入れ方

❶ 印象派の絵画のような色合いを

パステルといっても、今年注目したいのは印象派の絵画のような色合い。クロード・モネやマリー・ローランサンの絵画で描かれるような、曖昧で淡いパステルです。ブルーともグリーンともいえないような。そこにピンクが混ざる、そんな色合いです。もうひとつ思うのは、60年代のフランス映画『シェルブールの雨傘』に出てくるカトリーヌ・ドヌーヴがお召しになっていたノーブルなパステルカラーのイメージ。まずは、そんな色の小物をひとつ手にしてみてください。お財布やカードケース、スカーフ一枚でも。ひとつ身に着けたり持つだけで、春の息吹を感じるはず。気持ちの切り替えにもなります。色の持つバイブレーションってすごい! そう思いませんか?

❷ 重厚さはもういらない?

ラグジュアリーといえば重厚なイメージを思い浮かべますが、曖昧な色出しこそラグジュアリーブランドの真骨頂ではないかと思います。このブランドだけの特別なシーズン色を打ち出せるという贅沢さ。今年は、淡いグリーンとブルー、柔らかなピンク、クリーム色のようなオフホワイトなど、優しい色合いの中でも上品でニュアンスのある色出しに注目です。重厚さは、ちょっとした留め具やチェーンを添える程度で。

profile

地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、女優や著名人のスタイリングも数多く手がける。大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評を持ち、執筆も多く手がける。現在は、ファッションアイテムのプロデュースほか、テレビやラジオに出演するなど多方面で活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)『おしゃれは7、8割でいい』(光文社)『大人の旅はどこへでも行ける 50代からの大人ひとり旅』(扶桑社)など多数。最新刊に『ババアはツラいよ! 番外編 地曳いく子のお悩み相談室 2』(集英社文庫)。

※ 2025年3月現在の情報となります。
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