ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回のテーマは夏のファッション感度を上げるサングラスです。
STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA
凶暴的な日射しに負けないで
この頃、日射しに凶暴なまでの強さを感じているのは私だけでしょうか。かつては、真夏日となる30℃を超えると大騒ぎでしたが、今は30℃と聞いても「あ、そうなのね」と思うぐらい。それほど驚くこともなく、35℃超えの猛暑日を耳にすることが日常になりつつあります。この日射しの下では、日傘とサングラスはもう手放せない! 日本では、サングラス=“格好つける”おしゃれアイテムという認識が長らく根強かったですが、今は実用品だと思っています。ちょっと自慢になってしまうのですが(笑)、私は目のまわりにしわがあまりないんです。その理由を考えると、若い頃から、リゾート地ではもちろんのこと、夏のファッションとしてサングラスをいつもしていることが多かったからなのかな?と思ったり。目のまわりの皮膚は薄いので、紫外線の影響を受けやすいともいわれます。サングラスをかければ、紫外線から目を守り、しわやシミの予防効果も期待できるかも!? この夏は、実用とおしゃれを兼ね備えた個性的なサングラスを手に入れ、ファッションをブーストしてみませんか。
地曳いく子が指南する
今夏のサングラスの選びかた
❶ ちょっとした違和感がおしゃれを格上げ
数年前から韓国ドラマにハマっています。ドラマの中でもよく見かけるのですが、クールなセレブたちは、小道具としてサングラスを素敵に取り入れているんです。特にビッグフレーム。顔のバランス的に、大きすぎるのでは?というデザインなのですが、その違和感こそが普通の人とは違う“この人、おしゃれね”という存在感を漂わせています。サングラスほど、小物ひとつで印象を変えられるアクセサリーは他には無いのでは!? 特に、ラグジュアリーブランドの小物としては、手に届きやすい価格というのも魅力。サングラスひとつでスタイルがつくれ、コスパも最強。この夏、ファッションに投資をするなら、アクセサリー感覚で個性を足せるクセのあるラグジュアリーブランドのサングラスはおすすめです。
❷ 今の顔をつくるのはフラット感
80年代のソウルフルな映画に登場しそうなビッグフレームやティアドロップなど、懐古趣味的なデザインも多い今年。ですが昔とは異なり、今はフレーム面がフラット。今回撮影したサングラスの中で、似たデザインのもの(しかも同じブランド!)を持っていたのを思い出し、久しぶりに引っ張り出してみたところ……。でもやはり、似て非なるもの。装着してみると、案の定、昔の顔に。なんとなく漂う時代遅れ感。圧倒的なちがいは、フレームの顔に沿う丸みのある曲線。パッと見のデザインは本当に似ているのですが……。変わっていないようで変化している定番アイテムの落とし穴。アップデートは必須です。
❸ サングラスは横顔が命
正面ばかりに気を取られがちですが、横から見たときに「あら、素敵」と思われるのが、サングラスの醍醐味でもあります。だからこそ、テンプルのデザインは重要。ロゴやアイコン的なマークがテンプルに入ったデザインも多いので、かけているだけでそのブランドのラグジュアリーな顔になれるという優れものアイテムでもあります。ただし“横顔が素敵”となるには、デザインだけでは足りません。自分の顔の形と髪型など、全体のバランスを見て似合うかどうかが大切。テンプルの位置や太さによっても印象は変わってきます。私の場合は、お試しがけのときに、前からだけではなく横からもスマホで自撮りしています。(撮影NGとのころもあるので、ケースバイケースですが、)写真に撮ってみると意外と冷静な判断ができます(笑)
地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、女優や著名人のスタイリングも数多く手がける。大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評を持ち、執筆も多く手がける。現在は、ファッションアイテムのプロデュースほか、テレビやラジオに出演するなど多方面で活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)『おしゃれは7、8割でいい』(光文社)『日々是混乱』(集英社)など多数。最新刊に『大人の旅はどこへでも行ける 50代からの大人ひとり旅』(扶桑社)。
※ 2024年6月現在の情報となります。
※ 表示価格は全て税込価格です。
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