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連載旅するマーケット Ⅴ期

Exhibitor 2-2

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あれもこれもと手に取りたくなる、女子イチオシの菰野グッズ[菰野町|三重県]

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細部まで見とれてしまう精細な伝統工芸のインテリア小物、特産品から生まれた健康と美容にいい納豆、開湯1300年の歴史ある温泉街の新旧”温泉グッズ”。菰野を訪れたら買って帰りたい、おすすめのお土産をご紹介します。

Text by Yoko Takeuchi / Photo by Tomoko Nishizawa

 

日々の心が凛とする、モダンな組子のインテリア

 
緻密な美しさを目の前にすると、人はほんとうに息を飲む……。そんな体験をしたのは、菰野町で組子細工を用いた建具の伝統を継承する「指勘(さしかん)建具工芸」を訪問したときでした。

 

 

二代目の黒田之男さんは、意匠をさらなる高みへ昇華させ、その作品はミラノ国際博覧会にも出展されるほど。「現代の名工」として厚生労働大臣表彰受賞という経歴を持つ、職人でありアーティストでもある存在です。この日も、さまざまな技術を試みた作品を、展示会のために制作されていました。

 

 

伊勢志摩サミットの贈呈品になった、組子細工の「文箱」。これも指勘建具工芸の作品です。
三代目の黒田裕次さんにお話を伺うと、日本家屋が減ってくるなか、組子の技を今に伝えるため、手に取りやすいインテリア小物にも展開しているとのこと。灯やフォトスタンド、鍋敷、コースターなど様々な商品があり、こちらの工房で直接購入することもできます。

 

三代目の黒田裕次さん


 

 

1.5mmほどの木のパーツを、釘などを使わず手で組み上げていく組子。見れば見るほど気が遠くなってしまいます。「まず何万本という板を削り出す工程で、意識が飛びそうになりますよ(笑)組み上げるのも、間違えそうになるくらい複雑ですし、大作だと期間も半年、一年とかかります」と裕次さん。

そんな世界に誇る高度な伝統工芸。日常に取り入れるなら、北欧のオーナメントのように飾っても素敵な、組子コースターがイチオシです。まるで雪の結晶のようで、眺めているだけでも気持ちがすっと整いますよ。

フォトスタンドやコースターは、「三重県まちかど博物館」や「こもガク」のワークショップで作ることも可能です。


 

町の大豆フクユタカとマコモの葉のオリジナル納豆

 
ホテル湯の本の世古料理長に伺った「菰野大豆プロジェクト」。そのリーダーを務める若手生産者さんがいるということで、会いにいってきました。

水田や麦畑、ビニールハウスが広がる敷地を訪ねると、にこにこと楽しそうに作業されていた男性が手を止めてくれました。

 

 

服部慎司さんは、米・麦・大豆・トマトを育てる「ベジファームこもの」の二代目。「こもガク」の実行委員も務めています。納豆を作ったきっかけを聞くと、「もともと世古料理長がうちの父のトマトを使ってくれていて。町の特産品の大豆でもなにかできないかと相談したら、知り合いの製造会社を紹介してくれたんです」とのこと。

 

 

菰野町で栽培されている大豆は、やわらかくて甘みのあるフクユタカという品種。基本的に大粒の品種なので、納豆のサイズに適した小粒を選別し、国産大豆100%の納豆を作り続けている県内の製造会社「奥野食品」に委託製造。タレもからしも、保存料・アミノ酸等不使用で作られています。5歳と3歳のお子さんを育てるパパでもあるので、「極力、体いいものを子どもにも食べさせてあげたくて」と服部さん。

 

 

 

この納豆は「ホテル湯の本」の朝食でもいただけます。豆の存在感があるけれど、ほどよくやわらかくて、甘みも感じられ、タレの味わいもしみじみ。

スタンダードな納豆を味わったあと、さらに見逃せないのは、町のもうひとつの特産品・マコモダケの葉の粉末を一緒に発酵させた納豆です。その葉には、抗酸化作用などの美容効果があるとされ、漢方の世界では高級品なのだとか。食べてみると、味も食感も普通の納豆と変わらぬ美味しさ。むしろ納豆臭さが抑えられ、こちらのほうが好みという方もいるそう。

どちらの納豆も「道の駅 菰野」や「ピアゴ菰野店」で購入できますので、かもしか道具店の混ぜやすくて洗いやすい納豆鉢と一緒に、お土産にぜひ。

 

 

かもしか道具店の混ぜやすくて洗いやすい納豆鉢で作ってみたところ、内側の溝が絶妙で、空気を含んだふんわり納豆ができあがりました。


 

レトロもモダンも。新旧”温泉グッズ”

 
菰野町には、開湯1300年を迎えた湯の山温泉があり、昭和34年(1959)年に開業した御在所ロープウェイがあり、全編でご紹介したアクアイグニスがあり…。レトロも、モダンも、どちらも味わえるのが面白いまちです。それを象徴しているなと感じたのが、温泉土産や温泉グッズ。

 

日本一の高さを進む、小さな赤いゴンドラがかわいい御在所ロープウェイ。メンテナンス期間を経て2018年7月11日にリニューアルオープン!


 

 

温泉街やロープウェイの入り口では、切り絵のようなイラストがかわいい缶入りの「湯の花せんべい」が購入できます。1300年記念のゴールド感もよい色合い。湯の山温泉の女将の会「きらら」認定の地サイダー「ポンポン水」も、昔風のラベルでノスタルジックです。

 

 

アクアイグニスでは、もともとの施設「片岡温泉」の名前が入った手ぬぐい、敷地内で収穫されたいちごで作ったデザートワイン、スッキリしたパッケージが魅力のお菓子がおすすめ。ちなみに、お土産売り場は広くて種類も豊富、長居してしまうこと必至です。

 

 

手ぬぐいなら、かもしか道具店による菰野愛にあふれた2枚もお土産にぴったり。町の名物があれもこれもとオリジナルイラストで描かれていて、キャンプやBBQ、フェスにも似合うデザインです。持って帰りたくなるお土産が盛りだくさん。ぜひ自分用に、友人用に、いかがですか?

 

旅する菰野町

 

Sashikan Tategu Kogei

指勘建具工芸
1.5ミリの木片で意匠を生み出す伝統工芸「組子」。その技を美術品の域まで高めているのが指勘建具工芸。モダンな雑貨やインテリアの開発、またワークショップなど新しい試みでも注目を集めています。

Michinoeki Komono

道の駅 菰野
特産品マコモダケや大豆を使った商品や、お土産などが購入でき、「お食事処マコモの里」では、いろいろなマコモ料理を楽しめます。各種観光案内所でもあるので、旅の前後に立ち寄ってみては?

Gozaisho Ropeway

御在所ロープウェイ
御在所岳山頂付近まで続くロープウェイ。片道12分かけて移動するゴンドラからは、紅葉や雪景色など四季折々の風景や眼下にそびえる雄々しい巨岩・奇岩を鑑賞することができます。

 

2018年4月、日本各地の魅力を伝えてきた『旅する新虎マーケット』は
「新虎通り」から虎ノ門ヒルズ、アークヒルズまでエリアを拡大し、
『旅するマーケット』へと生まれ変わりました。
その中心となるのは日本各地の旬の食材や郷土料理を食す場所「食べる場」、
地域に根付く繊細で丁寧なものづくりを体験できる場所「創る場」、
そして新鮮な地域の食材や加工食品が買える場所「市場」。
2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、
国内外からの注目が高まり続ける東京。
その東京を代表する都市空間を舞台に、
日本各地の新たな価値を創造し、発信します。
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