CASSATA SICILIANA

フワ!サク!ザク! 爽やかで軽い、次に来るイタリアンデザート、“カッサータ”を体験

昨年流行した“マリトッツォ”に続いて、今年も注目のデザートはイタリアンデザート。“カッサータ”。リコッタチーズやマスカルポーネ、メレンゲをベースにした軽い触感のアイスケーキです。ここでは、美味しいランチやディナーのシメに、極上の“カッサータ”が食べられるレストランをご紹介します。

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❶【ヒルズ ダル・マット 六本木ヒルズ】——女性パティシエの感性が光る、シンプルで華やかな美しい“カッサータ”

「カッサータ」¥880。リコッタチーズとドライフルーツ、ピスタチオ、生クリーム、ハチミツとイタリアンメレンゲを混ぜたシンプルなカッサータ。食べるとハチミツの風味を優しく感じる。ラズベリーソースの彩りも綺麗。

「カシスフロマージュ」¥660。優しい口どけの新作チーズムースケーキ。センターに入れたオレンジゼリーとカシスジャムが爽やかに香り、甘酸っぱく、これからの季節にピッタリ。

ショートセット(¥4,400)内の前菜5種盛り。手前から時計回りに、「全盛期のホワイトアスパラ、茹で卵とトリュフを合わせたソース」「鳥取大山鶏もも肉のガランティーヌ。トンナートソース(ツナ アンチョビなど)カポナータと共に」「自家製山形県産豚のパテ、赤キャベツの酢漬けを添えて」「桜鱒のカルパッチョ。イクラのソースにマイクロハーブと紅スグリ添え」。

オープンエアーの半個室。サークル模様がリンクしたデザインの、モダンでシックな店内は、空間が広く落ち着ける雰囲気。

「これからも新作を含め、色々な味を試して頑張ります!」とパティシエの菊池菜々子さん。

2019年にモデルチェンジした店内はモダンでありながら、オープンエアの半個室であるテラス席から日差しが差し込み、昼間は明るく、夜はシックにと時間帯によって雰囲気が変わるスタイリッシュな空間になっている。

同店は旬の素材や契約農家から届く、食材にこだわったメニューを構成しており、季節によって新作を提供するなどデザートにも力を入れている。中でも「カッサータ」は人気のデザートとのことで、見た目も華やか、パッとテーブルが華やぐ飾り付けになっている。ベテランからバトンを受け継いだ若手の女性パティシエが、これからの季節も感性豊かにデザートを創作するであろうと、期待が膨らむ。

スタイリッシュでありながら気取りがなく、居心地良く過ごせる『ヒルズ ダル・マット』で、シメのデザートに至るまでのゆったりとした時間を過ごしていただきたい。

Hills DAL-MATTO|ヒルズ ダル・マット 六本木ヒルズ店 住所=東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ ウェストウォーク5F 電話=03-6804-1644 ※各種クレジットカード、交通系IC利用可 ※半個室3室(チャージ¥2,200)、個室1室(チャージ¥3,300)
 
PHOTO BY CHISATO NOGUCHI (NDPP.)

❷【LA COMETA】——ピスタチオはザクザク! 苺は様々な食感! イタリアの香り漂う老舗の伝統的カッサータ

「ピスタチオのカッサータ」¥800。ふんだんに使用したブロンテ産のピスタチオと、オレゴン州から仕入れているヘーベルナッツとアーモンドをキャラメリゼして、隠し味にリモンチェッロ(イタリア名物のレモンのリキュール)を加えている。それによって程よく酸味があり軽い口溶けになる。ナッツ類の香りがふんわりと感じられ、歯ごたえと存在感があり、溶けかけのタイミングだとよりザクザクとした食感が楽しめる。

「苺のカッサータ」¥800。苺だけでなく様々なベリーを使用しており、食感と酸味が見事にマッチ。苺はオーナーの故郷、栃木「とちおとめ」で切り口も綺麗。苺のシロップも混ぜ合わせることにより、綺麗なピンク色となり、苺味の中に色々な香りや食感が楽しめる。敢えてしっかりと混ぜ合わせず、口に入れた部分によって異なる味わいを楽しんでもらう趣向だ。

「イカスミのスパゲッティ」¥1,900(市場価格で変動)。スーシェフ自ら豊洲に出向き、仕入れたコウイカをフレッシュなまま使用。身はミンチにしており、パスタに抜群の存在感と風味を与え、トッピングのイタリアンパセリの風味が、濃厚なイカスミとマッチしている。ロゼワインと合わせるのがお勧めとか!

ローマのリゾート地・オスティアのアーティストによる逸品ものの手書きのウェルカムプレートが出迎えてくれる。

「美味しい料理とワインがあります。皆さん食べに来てください!」とスーシェフの鮎田アンドレアさん。

オーナーが修業を始めたというイタリア・ペルージャ。そこにある小さい通り「VIA DELLA COMETA」から店名を付けたという姿勢からも感じられる通り、修業時代の思いや学びを忘れずに進化して、40年を迎えた同店。イタリアから輸入しているリコッタチーズをはじめ、ピスタチオ、ヘーゼルナッツなどカッサータの食材も海外から納得のいくものを仕入れており、日本にいながら本場と変わりない味が楽しめる。

ピスタチオのカッサータにはリモンチェッロを加えることにより、爽やかさを加え、苺のカッサータにはバルサミコのフルーツ由来の酸味で程よい相乗効果を狙う。食した時により複雑で深い味わいを感じるように試行錯誤した食材を加えて仕上げている。敢えて均一に混ぜ合わせていないので、食べる箇所によって違った味と食感が楽しめるのも楽しい。具沢山が「カッサータ」の楽しみのひとつとの事である。

また食後にはマダム自家製のリモンチェッロ(広島産の無農薬レモンを使用)のサービスがあり、こちらも楽しみのひとつである。ファミリーで変わることなく守り続けた味と、試行錯誤を続けさらに進化している『ラ コメータ』にファンが多いのも頷ける。

LA COMETA|ラ コメータ 住所=東京都港区麻布十番1-7-2 2F 電話=03-3470-5105 営業時間=17:30〜21:30(L.O.20:30) ※現在は木曜・金曜・土曜のみの営業(変更の可能性あり) ※各種クレジットカード利用可
 
PHOTO BY ATSUMI ODATE

❸【Casa Vinitalia】——フルーツの香りが鼻孔を刺激する、初夏ならではの爽やかな「カッサータ」

「カッサータ」¥1,200は、5月と6月の限定メニュー。初夏を意識し、敢えてリコッタチーズを使用せず、ヨーグルトベース。生クリームとメレンゲでさっぱりと仕上げている。ピスタチオと数種類のドライフルーツなどの食感も楽しく、パッションフルーツの彩りと香りが爽やかで、初夏を感じさせる一品。

「季節野菜のバーニャカウダ カーザ ヴィニタリアスタイル バーニャカウダソースまたはゴルゴンゾーラチーズソース」¥4,500(2人前~)。同店のコース料理の定番メニューだが、アラカルトでも注文可能。取材時はピサンリ、ラデイッキオ、スナップエンドウ、グリーンアスパラ、ウドを使用。季節毎にイタリア、日本の旬の野菜を使い彩りも鮮やかな一品。ソースは、2種類から選べる。

「和牛イチボのロースト ソース・ポワブラート」¥4,500(コースの場合は¥2500アップ)。別メニューで野菜のココット(各¥1,000)を選べるため、肉料理はシンプルに楽しんでもらうスタイル。赤ワインのソースとホールの生黒胡椒がアクセント。岩塩が添えられ、絶妙な火入れのシンプルな肉の味が楽しめる。

都心とは思えない閑静な中庭があり、開放的で洗練された店内が魅力的。

「爽やかな季節になります、気持ちいい空気を感じられる当店に、どうぞいらしてください」とシェフの萩原拓也さん。

麻布十番駅から程近く。南麻布にある『カーザ ヴィニタリア』。日本とイタリアの食材を使用した旬の料理が季節毎に楽しめ、特にこだわりのイタリアワインは、およそ300種類を用意、料理と一緒に堪能出来る。

中庭から明るい日差しが入る店内はシックでスタイリッシュ。平日のディナー(土曜・日曜のランチも同じメニュー)は2名から注文出来るコース¥9,500と、アラカルトがあり、その日の気分で料理を組み立てられる。コースは前菜、デザートを選択可能、パスタ、メイン(肉か魚を選ぶ)はプリフィックスとなっている。

またスナップエンドウ、空豆、ホワイトアスパラ(¥1,200アップ)など、7種類が選べる「野菜のココット」(各¥1,000)もあり、栄養バランスの良い魅力的な構成だ。

1カ月ごとにメニューが更新される同店で、5月から提供予定の「カッサータ」は、特に初夏を感じる爽やかなビジュアルと味わいになっており、食後のデザートにお勧めである。涼やかな夕暮れ時に中庭を眺めながら食事を楽しむと、都会にいることを忘れてしまいそうな魅力溢れる店である。

Casa Vinitalia|カーザ ヴィニタリア 住所=東京都港区南麻布1-7-31 Mタワー2F 電話=03-5439-4110 営業時間=17:30〜23:30(L.O.22:00)、土曜・日曜 12:00〜22:30(L.O.20:30) 定休日=月曜 ※詳細はホームページでご確認ください ※各種クレジットカード利用可
 
PHOTO BY CHISATO NOGUCHI (NDPP.)

※2022年5月現在の情報となります。
※表示価格は全て税込価格です。
※六本木ヒルズでは、店舗により臨時休業や営業時間を変更させていただく場合がございます。詳細は「六本木ヒルズの営業状況について」をご確認ください。