IKUKO'S METHOD

グランピングで週末リセット——地曳いく子のおしゃれメソッド28

ファッションのご意見番ことスタイリスト地曳いく子さんが、独自の視点で切り込むオトナ女史のためのスタイル術「IKUKO’S METHOD」。今回はグランピングとファッションのお話です。

STYLING BY IKUKO JIBIKI
PHOTO BY SHIN KIMURA
EDIT BY AKANE MAEKAWA

贅沢に気分はアウトドア

おしゃれ感度の高い人たちの間で数年前から人気のグランピング。日本でも、この1、2年でグランピング施設が急増中です。コーチェラやグランストンベリーなど、海外のフェスで今やセレブたちが泊まるのはグランピング。昔のテントサイトは若い子たちが節約のためにテントを持ち込みフェスに参戦というイメージでしたが、高級ホテルとシャトルバスのセットよりもグランピングのほうがお高い時代なのです。テントの設営から食事の準備まですべて用意され、手ぶらで行けて、優雅にキャンプを楽しめる、それがグランピング。年々ラグジュアリー化しているので決して安くはないですが、にわかキャンパーが年に1回使うかどうかも分からないテントやギアを揃えることを考えれば、ちょっと高いなぐらいで済みます。優雅に自然を満喫して、仕事の疲れを週末リセットするにはおすすめ。近くには大抵温泉やスパもありますしね。今回は山気分に注目して、グランピングだけでなく、週末温泉旅行でも使えるアウトフィット術をお伝えします。

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1/13自然に囲まれ朝から日が暮れるまで、この一枚で優雅に過ごしたいロングワンピース。今のグランピングは雰囲気おしゃれも大切です。ワンピース¥42,000(エッフェ ビームス/ビームス/六本木ヒルズ ウェストウォーク 3F
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2/13サイケな柄がネイチャームードを高めてくれるセットアップ。ドレッシーにしたい夕暮れはセットアップで、朝起きたらTシャツとスカートでカジュアルに。色々と着回しできるので旅の強い味方です。トップ¥42,000、スカート¥57,000(コート/エストネーション/六本木ヒルズヒルサイド1F&2F
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3/13フォークロアな雰囲気が森の生活気分をアゲてくれます。前はシンプルに見えますが、背中が開いているのでバックはセクシーに。温泉あがりに一枚着て、ゆったりと涼みたいです。ワンピース¥37,000(アール ジュビリー/アーバンリサーチ/表参道ヒルズ本館B3F
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4/13フリンジ付きのカフタンも、光沢のある素材でダークな色を選べばシックに。グランピングで着ていたら、素敵なヒッピー風のお姉さまになれますよ。カフタン¥30,000(ミコモリ/ユナイテッドアローズ 六本木/六本木ヒルズウェストウォーク2F
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5/13フロントとバックが素材違いになったシャツワンピース。コート気分に羽織ってもかわいいですし、ベルトマークしても素敵に。シャツワンピース¥15,000(ジースター ロゥ/ジースターストア/表参道ヒルズ本館2F
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6/13ざっくりとしたニットベストはレイヤードで。Tシャツと合わせたりワンピースと合わせたりと、一枚持っていると色々と着回しがききます。サイドにスリットが入っているのでフェミニンな雰囲気も。ベスト¥8,000、カットソー¥5,000(アーバンリサーチ/表参道ヒルズ本館B3F
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7/13ラベンダー色がきれいな軽やかなマキシ丈スカート。小さくクルクルと丸めて鞄に入れられ、水に濡れてもすぐに乾くので、グランピングのおしゃれには持って行きたいアイテムのひとつ。レギンスに重ねてもかわいいです。スカート¥11,000(アーバンリサーチ/表参道ヒルズ本館B3F
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8/13スパやジャグジーなら、浮かれ気分のトロピカル&リゾートなものではなくオトナシックな水着で。このぐらい落ち着いた雰囲気なら、この上に一枚羽織ってインナーとしても。 ビキニトップ¥9,800、ビキニショーツ¥7,600(レピドス フォー ユナイテッドアローズ/ユナイテッドアローズ 六本木/六本木ヒルズウェストウォーク2F
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9/13シンプルだけどデザインにエッジィがきいたマノロ ブラニクのフラットサンダル。かごバッグはガチキャンプだと土を掻き取ってNGですが、グランピングなら泥まみれになることもないので、ネイチャーな気分を盛り上げてくれます。サンダル¥119,000(マノロ ブラニク)、バッグ¥48,000(ラドロー/エストネーション/六本木ヒルズヒルサイド1F・2F
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10/13白のリボンがアクセントなったヘレンカミンスキーの帽子&バッグ。山の生活は標高が高いため、紫外線が強いので帽子は必須です。ハット¥34,000、バッグ¥37,000(ヘレンカミンスキー/ヘレンカミンスキー ギンザシックス店/GINZA SIX 4F
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11/13斜め掛けもできるコンパクトなサコッシュ風のミニバッグ。車のカギや小銭、ハンカチを入れておくのに便利なので、ひとつは持っていたいアイテムです。普段ならバッグインバッグとして使っても。民族調のベルトは、アクセントをつけたい時にこれを1本巻くだけでヒッピーライクなスタイルを完成させてくれます。ミニバッグ¥20,000(マロウ)、ベルト¥14,000(イグジット ジェイ/エストネーション/六本木ヒルズヒルサイド1F・2F
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12/13エスニックな雰囲気の柄がポイントに。フェミニンなミュールはこのぐらいのデザインのほうがグランピング映えします。サンダル¥16,000(ユナイテッドアローズ/ユナイテッドアローズ 六本木/六本木ヒルズウェストウォーク2F
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13/13透け感のある軽いストールは夏の山には必須。おしゃれのポイントとしてだけでなく、朝晩の冷え込みの温度調整や、肩に掛けての日焼け対策にも。スカーフ¥10,000(ユナイテッドアローズ/ユナイテッドアローズ 六本木/六本木ヒルズウェストウォーク2F

地曳いく子が伝授する
グランピングのためのアウトフィット術

❶ ネイチャー感を盛る

グランピングはガチなアウトドア服でなくても、サバイブできてしまいます。そこが普通のキャンプとの差。グランピングとは、おしゃれができるキャンプ生活なんです。なにしろ、火を熾したりテントを張らなくていいのですから、軍手をする必要もありませんよね(キャンプ経験者ならうなずくはず)。あなたのお仕事と言えば、ワインやビールの銘柄の心配をすることだけです(笑)。だからこそ、ワンピースだってスカートだって許されてしまいます。ここで大事なのは、ネイチャー感を盛ること。普段だったらどうしようかなって思うフォークロアなフリンジや、色や素材のものも、一枚でもあるとより山気分が高まりリラックス度も深まります。フォークロアなトレンドは根強くありますが、都会だとちょっと敬遠している人もいるはず。オトナフォークロアを着たいならグランピングです!

❷ セットアップは使える

意外と使えるのがトップスとスカートのセットアップ。合わせで着ればそれなりのおしゃれ感。あとはTシャツとタンクとレギンスがあればOK。色々と着回せるので、荷物も減り、道中もスマートなオトナ女史を演出できます。

❸ 水着は必ず忍ばせる

海だったら絶対に忘れないのですが、山方面となるとついつい抜けてしまうのが水着。グランピングには温泉やスパはつきものと思って下さい。最近はバーデゾーンもあり、男女で入れるところも多く、持っていない時点でさっと境界線が引かれてしまうわけです。先週私も水着を持って行き忘れ、「ジャグジーに入らないの?」と言われ奥歯をギリギリしたばかりです。ビキニは場所も取らないのでとにかく忍ばせていきましょう。そうすれば、悔しい思いをしないですみますよ。

❹ サンダルも忘れずに

グランピングと言えば、テラスでBBQですよね。となるとティピーやキャビンの出入りが結構あったりします。そんなときはつっかけ気分で履けるフラットサンダルが便利なんです。温泉やスパに行ったり、敷地内を散歩するのにも使えます。ビーサンという手もありますが、そこはオトナ女史。ペタンコサンダルのほうがおしゃれに見えますし、気分も上がるハズ。水着同様、予備で持って行っても平たいから嵩張りません。


profile

地曳いく子|Ikuko Jibiki
スタイリスト/1959年東京生まれ。数々のファッション誌で活躍し、そのキャリアは30年超え。女優のスタイリングも数多く手がけ、大人の女性を美しくみせる的確な理論に基づくスタイリング術に定評あり。独特の語り口も魅力で、現在はテレビやラジオでのコメンテーターとしても活躍。著書に『服を買うなら、捨てなさい』、『着かた、生きかた』(ともに宝島社)、『おしゃれも人生も映画から』(中央公論新社)、黒田知永子との共著『おしゃれ自由宣言』(ダイヤモンド社)など多数。