STARS: Six Contemporary Artists from Japan to the World

現代美術の「スター」が森美術館に集合——「STARS展」開催中!

森美術館では「STARS展:現代美術のスターたち—日本から世界へ」が開催中! 現代美術の「スター」たちの夢の共演を見ることができる。参加作家は草間彌生、李禹煥、宮島達男、村上隆、奈良美智、杉本博司の6人。本展覧会では各アーティストの初期・中期の作品と新作にくわえ、過去の展覧会風景などのアーカイブも展示。キャリアを総覧できる構成になっているため、「現代美術入門」としてもおすすめの展覧会だ。今回は、そんな「STARS展」の様子を作家ごとに紹介する。

草間彌生

70年におよぶキャリアのなかで、多様なメディアを用いて作品を制作してきた草間彌生。本展では、ニューヨークを拠点にしていた1960年頃の初期のドローイング作品をはじめ、1993年の「ヴェネチア・ビエンナーレ」に日本館代表として出品した《天上よりの啓示(B)》《ピンクボート》を展示。ほかにも、インスタレーション作品《Infinity Mirrored Room—信濃の灯》や、最新の絵画シリーズ「わが永遠の魂」も並ぶ。

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1/3中央左ピンクの船型の作品が《ピンクボート》1992年、中央右の脚立型の作品が《トラヴェリング・ライフ》1964年
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2/3《Infinity Mirrored Room—信濃の灯》2001年
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3/3左から《無限の網》1965年、《No.A》1959年、《ミシガン湖》1959年

 

李禹煥(リ・ウファン)

1960年代末から70年代初頭にかけて登場した、日本美術史における重要なムーブメントである「もの派」。その代表的な作家が李禹煥だ。本展では、「もの派」の思想を最もよく象徴している最初期の作品《関係項》にくわえ、2点の大作絵画《対話》が展示されている。

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1/3奥左《対話》2020年、《対話》2019年
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2/3《関係項》1969年 / 2020年
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3/3展示風景:「STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ」森美術館(東京)2020年

 

宮島達男

1980年代半ば以降、1から9までの数字が変化するデジタルカウンターを用いたインスタレーションや立体作品を発表している宮島達男。出品作は、東日本大震災犠牲者の鎮魂と震災の記憶の継承を願うインスタレーションであり、1988年第43回「ヴェネチア・ビエンナーレ」に出展された《Sea of Time》の発展形でもある。今回は、本シリーズ最大級のインスタレーションとして719個のLEDを用いて展示される。

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1/3《30万年の時計》1987年、《Monism / Dualism》1989年
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2/3《Monism / Dualism》1989年
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3/3《「時の海―東北」プロジェクト(2020東京)》2020年

 

村上隆

日本のバブル経済期に花開いたオタク文化に、江戸時代から続く日本独自の感性を見出し、漫画とアニメを起点とするキャラクター絵画やフィギュア彫刻を発表している村上隆。今回はオタク文化を象徴する代表作《Ko²ちゃん(プロジェクトKo²)》や東日本大震災への応答として制作された鬼の巨像、さらには本展のために描かれた大型絵画2点などを出展している。

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1/3《ポップアップフラワー》2020年
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2/3《Ko²ちゃん(プロジェクトKo²)》1997年
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3/3左奥の像が《吽像》2014年、右手前の像が《阿像》2014年

 

奈良美智

1980年代より作品制作を開始した奈良美智は、これまで、ドローイング、彫刻、絵画、写真など多様なメディアで作品を制作・発表している。本展では初公開の15点を含む、初期から近年までのドローイング20点を公開。中期の代表的なインスタレーション《Voyages of the Moon(Resting Moon)/ Voyage of the Moon》もが展示される。また、レコード、CD、本、こけし、ぬいぐるみなど奈良本⼈のコレクションも出品され、作家の創作世界を体験できる。

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1/3家を模した巨大なインスタレーション《Voyages of the Moon(Resting Moon)/ Voyage of the Moon》2006年
制作協力:graf
所蔵:金沢21 世紀美術館(石川)
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3/3《Lonely Moon / Voyage of the Moon》2006年

 

杉本博司

1974年にニューヨークに移住し、現代美術家として活動をはじめた杉本博司。出品作《シロクマ》は杉本の初期の代表シリーズ「ジオラマ」の最初の作品である。杉本が神奈川県小田原市に設立した「小田原文化財団 江之浦測候所」の四季折々の姿を細部まで映した《時間の庭のひとりごと》は、彼にとって初の映画作品。ほかには「海景」シリーズが発展した「レボリューション」シリーズも展示される。

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1/3「レボリューション」シリーズより、左から《Revolution 001 北大西洋、ニューファンドランド》1982年、《Revolution 002 北大西洋、ニューファンドランド》1982年、《Revolution 008 カリブ海 、ユカタン》1990年
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2/3《時間の庭のひとりごと》2020年
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3/3《シロクマ》1976年

 

展示風景:「STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ」
森美術館(東京)2020年
撮影:高山幸三

本展は、森美術館HPからチケットの事前予約・購入も可能です。